
【サンフランシスコ(米カリフォルニア州)13日(同14日)=四竈衛】昨季世界一のドジャースが、地区、リーグとも最高勝率で球宴までの前半戦を折り返した。ジャイアンツ戦に先発した山本由伸投手(26)が7回3安打無失点と好投。9勝目こそ逃したものの、同3連戦の勝ち越しに貢献した。大谷翔平投手(31)は3打数1安打2得点と、メジャートップの91得点まで積み上げた。15日(同16日)に行われるオールスターに選出された両選手は、試合後、チャーター機でアトランタへ向かった。
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延長戦を制しても、試合後のロバーツ監督は硬い表情を崩さなかった。左腕クローザーのスコットが9回に同点弾を浴び、試合は振り出しに戻った。延長11回無死一、二塁からベッツが右飛を放った際には、二塁走者アウトマンがタッチアップしない凡ミス。2死後、中軸の連続適時打で何とか勝ち越したものの、負けていれば致命傷となるボーンヘッドだった。
前日、7連敗から脱出し、同地区の宿敵ジ軍相手に連勝フィニッシュ。同監督は「確かに勝ち越して(球宴)休みに入れるのはポジティブなこと」と話す一方、前半戦の総括に触れると語気を強めた。「勝敗や順位はすばらしいが、進歩すべき多くのことがある。我々はもっと良くなる必要がある」。2位パドレスに「5・5差」を付け、リーグ全体でも最高勝率をキープした。だが、救援陣が疲弊し、主軸打者も下降気味。とても楽観視できる状態ではない。
ただ、プラス材料がないわけでもない。球宴後は、大谷の「二刀流」としての完全復活がペースアップする見込み。先発左腕スネル、救援右腕トライネンの復帰も秒読みとなった。メジャートップを走る91得点の大谷が攻撃の起点となり、先発投手としても軸となれば、戦力バランスもより整備される。「球宴休みが助けになってくれると思う」。球宴で指揮を執るロバーツ監督は、連覇へ向けて気を引き締めるかのように締めくくった。