
<中日7-1広島>◇12日◇バンテリンドーム
中日大野雄大投手(36)が1失点完投でチームを3連勝に導いた。8回まで3安打無失点。二塁も踏ませず89球で前回4日ヤクルト戦に続く2週連続の「マダックス(100球以内)」での完封チャレンジだった。9回に先頭を歩かせ小園に適時二塁打を許し完封ならずも、前回4日ヤクルト戦は左足をつり、あと2死で途中降板したが、今回は完投した。
3年ぶりの完投勝利に「完封は特別だけど、最後まで投げきることができたんで十分」。大野といえば直球とツーシームというイメージから脱却。「真っすぐを速く見せる方法を学んできた」。全盛時より球速が出なくなっても緩い100キロ台のスラーブなどを駆使し緩急を使う。直球で押す日もあるが、この日は「立ち上がり球が走っていなかった」という中でコンビを組むルーキー石伊が多くの球種を使い的を絞らせなかった。
過去2年で2勝と苦しんだ左腕が今季5勝目。チームが苦戦する交流戦後に3連勝とした。井上監督も「助けられた」と感謝だ。完投勝利はチーム82試合目で初。「もうできひんかなって正直思っていた。気持ちが一番やな」と長年エースを務めてきた自信も戻ってきた。
通算91勝で今中慎二と並んだ。入団2年目からコーチとして指導も受け、プライベートでも親しい存在。「完投で並べたのはすごくうれしい。今中さんは完投しまくっていたので。次回、超せるように」と笑った。チームは8カードぶり勝ち越しで借金8。プロ15年目。まだまだ大野は白星を重ねる。【石橋隆雄】
▽中日石伊(3回に適時打。守っては大野の完投勝利を好リードで2人でお立ち台)「ヒーローになれてすごくうれしい。(打撃で)最近結果が出てきてちょっと欲がでてきた」