
<高校野球佐賀大会:唐津商10-3龍谷>◇7日◇2回戦◇さがみどりの森球場
唐津商(佐賀)の二刀流エース木本夢翔(ゆめと)投手(3年)が投打で躍動し、今大会優勝候補の龍谷を初戦で撃破した。
「3番投手」で先発出場し、8回0/3を9安打3失点と粘りの投球を披露。初回から6イニング続けて先頭の出塁を許したが、大崩れはしなかった。この日最速139キロ直球にスライダー、チェンジアップで要所を締める。1年秋からベンチ入りし、場数を踏んできただけあって経験値も生きた。「自分には経験がある。慌てることはなかった」。さらに今春の関西遠征では大阪桐蔭を相手に8回1死まで無安打投球。「向こうもまだ調整段階」と謙遜も、西の横綱を抑え込んだという自信もあった。
バットでは2本の適時打を含む、2安打4打点の大暴れ。2点リードで迎えた8回無死満塁ではダメ押し3点適時三塁打。「仲間がチャンスをつくってくれたので。打てて良かった」。甘く入ってきた変化球を捉え、打球は中堅手の頭上を越えていった。
名前の由来は「大きな夢に向かって翔けてほしい」と、父清志さん(48)から命名された。木本は「この夏、自分が甲子園に導く」。投げて、打って、夢舞台をつかむ。【佐藤究】