
デンマーク1部ブレンビーに移籍する湘南ベルマーレFW福田翔生(24)が6日、神奈川・平塚市のレモンガススタジアム平塚で退団セレモニーを行った。
23年夏に当時J3のYSCC横浜(現JFL)から加入し、昨季は10得点とチームの得点源となった。スピードと献身性を生かし、欠かせない存在となり、今季も4ゴール。「僕の人生を変えてくれたチーム」との別れに涙が止まらなかった。集まった約3000人の前で用意した手紙を読み上げると、思いをこらえられなくなった。
東福岡から当時JFLのFC今治(現J2)に入ったが、4年目に契約満了を経験。苦労人は高校時代を含めた7年間を思い返す場面で「心の底から楽しいと思える日はほとんどなく、孤独を選んで逃げたかったし、楽になりたいと思う日もあった」と号泣した。
「逆境にしか咲かない花もあると心をお強く持ち、オレならできると常に自分に言い聞かせ、何年かかっても夢をつかみとると、日々弱い自分と戦ってきました」
今治退団後に拾われたYS横浜でブレーク。21試合11得点と爆発し、湘南への2カテゴリー昇格を果たした。「毎日が楽しくなっていき、生きていて良かったなと実感しました」。
1度つかんだ自信はもう離さなかった。湘南でもすぐに出場機会をつかみ、昨季は2桁ゴールを達成。「これだけ本当に毎試合自分の命を懸けて戦おうと思うチームは少ない。いろいろな思いがあるので1つにはまとめられない。恩返しをこれからの活躍や姿勢で見せていきたい」と感謝の思いをこれからピッチ上で表現する。
移籍するにあたり、悩みに悩んだ。「これだけ大好きになったクラブはないので、しかも夏の途中にこのチーム状況(17位)で抜けるのを考えた時に離れたくもない。このチームで点を決めて少しでも上の順位に導きたい思いと、幼い頃から(欧州)チャンピオンズリーグ(CL)を目指していたので、2つの葛藤で最終的にブレンビーに移籍する決断になって、そこに対して相当な覚悟があります」と夢を追うことを選んだ。
湘南には感謝しかない。「僕は誰かに希望を与え続けられる選手になります。湘南に来られて本当によかった。2年間ありがとうございました」と頭を下げた。
J1通算62試合で14得点を記録した。東京ヴェルディMF福田湧矢(26)は実兄。5月には初の兄弟対決が実現していた。