
<広島2-1ヤクルト>◇2日◇マツダスタジアム
2戦ぶりにスタメン復帰した広島中村奨成外野手(26)が、3号逆転2ランでチームを勝利に導いた。
1点ビハインドの3回。1死二塁の好機で初球を狙った。「『真っすぐ行くのか、スライダー行くのか、腹を決めていけ』と言われたので、いろいろ考えて、スライダーで行こうかなと思って打席に入りました」。浮いたスライダーに迷うことなくバットを振り抜き、左翼席に運んだ。自己最多を更新するシーズン3号が試合も、球場の雰囲気もひっくり返した。
5月は13試合あったスタメンが6月は6試合に減った。前日の1日もベンチスタート。「スタメンで出る出ないに関係なく、いつでも出る準備はしている。右ピッチャーだから大盛さんだとは思っていない。最近スタメンが減っていたので、悔しい思いもありますけど、もう1回奪ってやるという強い気持ちは持ってます」。2戦ぶりに巡ってきた「1番中堅」で結果を残した。そんな姿に新井監督も目を細める。
「“中村砲”が出ましたね。今年は目つきが違うというか、キャンプのときから本当、目の色が違う。練習に取り組む姿勢もそうだし、いい意味で大人になってると思う」
この日の1発で試合数や打点、盗塁などに続き、本塁打数もキャリアハイを更新した。「自己最多と言っても、まだまだ少ない。今日はいい角度で捉えられたのでああいう結果になりましたけど、チャンスでしっかり打てるようにしっかりやっていきたいです」。好結果にも足元を見つめる謙虚さこそ、成長の証しだ。【前原淳】