
<高校野球宮城大会・組み合わせ抽選会>◇26日◇松島町文化観光交流館
第107回全国高校野球選手権青森、秋田、岩手、宮城、山形大会の抽選会が26日に行われた。岩手では4年ぶりの聖地を目指す盛岡大付が花北青雲と盛岡四の勝者と初戦で対戦する。坂本椿主将(3年)は人間力をキーワードにあげた。宮城では聖和学園が初戦で日本ウェルネス宮城と仙台商の勝者と戦う。「最弱世代」を返上すべく、2年連続の王座を狙う。第1シードの仙台育英は2年ぶりの甲子園を目指す。
◇ ◇ ◇
「最弱世代」を返上する。今春県大会準Vの聖和学園は第2シードを獲得。高橋歩汰(あゆた)主将(3年)は抽選番号の「55」を力強く読み上げた。「まずは目の前の試合だけを見て戦っていきたいです」と一戦必勝を誓った。
昨夏は悲願の甲子園出場をかなえた。だが昨秋は県大会2回戦敗退。個々の能力が低いことから「最弱世代」と呼ばれることもあった。それでも、めげなかった。ミーティングを重ね「結果で見返してやろう」と団結。結果は目に見えた。今春は県準優勝、東北大会では初の“1勝″を挙げ、歴史を塗り替えた。
だが、これで満足はしていない。東北大会2回戦では、延長11回タイブレークの末、能代松陽(秋田)に6-7で敗れた。ここに主将は課題を感じた。「まだまだ詰めの甘さを感じたので、練習から1球1球の大切さをもっと大事にしていきたいです」。目指すのは2年連続の聖地。「東北大会1勝は自信になりましたが、てんぐにならずに、地に足をつけて戦っていきたいです」と気を引き締めた。
昨夏の大舞台はベンチ入りも、出番はなかった。初出場の快挙に周りからの目も変わった。高橋は「ちゃんと、やらなきゃいけない」と少なからずプレッシャーも感じていた。それでも、甲子園の景色は忘れられなかった。「自分もこの場所でプレーしたいという思いが1番でした」。泣いても笑ってもラストチャンス。もちろん、花道を飾るつもりだ。【木村有優】