
<高校野球東西東京大会組み合わせ抽選会>◇14日◇青山学院高等部PS講堂
第107回全国高校野球選手権東西東京大会の組み合わせ抽選会が行われた。
◇ ◇ ◇
4年ぶりの聖地を目指す第1シードの東海大菅生には頼れる背番号6がいる。プロ注目の遊撃手、前田蓮主将(3年)は巨人の坂本勇人内野手に“激似”のフォームで集大成の夏に挑む。春の悔しさをバネに「チームの思いを背負っているので、みんなのために打って優勝して甲子園に出たい」とグリップを強く握る。
テイクバックで足を高く上げる打撃フォームは、巨人の背番号6をほうふつとさせる。主に中軸を担い、打線を引っ張ってきた。1年秋から活躍し、走攻守3拍子そろった逸材が、坂本のフォームを参考にしたのは小学生の時だ。「お父さんに『やってみれば?』と言われて。少し変わっていると思ったけど寄せてみた」と照れ笑いする。
憧れの背番号6と己を徐々に調和させ、スカウトが注目する広角打の打者に成長した。春季東京大会2回戦以降は23打数9安打3打点と毎試合安打をマーク。打率も3割9分1厘と好調で、準優勝に貢献した。しかし、センバツ4強の健大高崎(群馬)との関東大会初戦で、チームは先発下重、プロ注目右腕の石垣元の強力投手陣を前に完封負けを喫した。前田も下重から1安打を放つので精いっぱいだった。夏はチームの得点力が重要な鍵となる。
「きれいなヒットばかりではなく、例えば内外野のポジショニングを見て、空いているところを狙うとかやっていかないと、多分勝てない」。帰京後はティー打撃を繰り返し、バットコントロールを磨いてきた。
好きな言葉は「執念」。不細工でも技ありを決めるのは、厳しい勝負の世界に打ち勝つためだ。7月14日の初戦(3回戦)の相手は光丘-日野台の勝者に決まった。「チャレンジャーのつもりで一戦必勝で」。柔軟な打撃でチームを栄冠へ導く。【泉光太郎】