
<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク4-1DeNA>◇13日◇みずほペイペイドーム
横綱級の快投だ。ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(29)が開幕から無傷の6連勝を飾った。「日本生命セ・パ交流戦」のDeNA戦に先発し、9回3安打1失点、13奪三振で今季初の完投勝利。勝利数、勝率、奪三振でパの「投手3冠」に浮上した。日本相撲協会とのコラボイベントで、お立ち台では「どすこ~い」と叫ぶほど、超ご機嫌。チームは交流戦単独首位をキープした。
◇ ◇ ◇
モイネロは、笑顔が絶えなかった。ヒーローインタビューの最後。自ら「日本語でみんな一緒に『どすこい』がやりたい」と熱望した。この日は日本相撲協会とのコラボイベントデー。大相撲の大関経験者、正代(33)も球場を訪れていた。本家の前で「イチ、ニ、サン、ドスコ~イ!」。しっかり腰を落とし、両手を天に向かってあげた。
モイネロ 本物(の力士)がいたので、うまくできているのか分からなかったですけど、良かったです。
また、奪三振ショーを見せた。6日のヤクルト戦では1試合18奪三振。球団新記録を樹立し、中6日のマウンドでも圧倒した。昨年の日本シリーズで敗れたDeNA打線から13奪三振。「去年は先発1年目ということで経験もなかった。それに比べたら今年は経験はあると思う。それが三振だったりいい結果につながっていると思います」。ヤクルト戦は救援陣が打たれて勝てなかったが、この日は9回3安打1失点で今季初の完投勝利。開幕から無傷の6連勝、本拠地では初勝利だ。2試合で合計31奪三振の「ドクターK」が報われた。
6勝、勝率10割、89奪三振で、パの「投手3冠」に浮上した。先発転向2年目で圧倒的な成績を残すが、謙虚さは変わらない。「どういう状況でもチームの勝ちに貢献するっていうのが一番の目標だし、それは変わらない」。登板11試合で防御率1・26。援護点に恵まれない試合もあったが、登板翌日は陽気にランニングをする。名前は知らなくても、報道陣には気さくにグータッチ。チーム内外でモイネロは愛されキャラだ。
モイネロの横綱級の快投で交流戦単独首位をキープした。首位の日本ハムも敗れて3ゲーム差。左腕エースは、まだまだ無双する。【只松憲】