
<日本生命セ・パ交流戦:西武4-1阪神>◇12日◇ベルーナドーム
あぁミスミスミス3連敗。阪神が「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦で初の同一カード3連敗を喫した。3点を追う8回に1死満塁の好機をつくったが、一塁走者の佐藤輝明内野手(26)が痛恨のけん制死。一打同点の反撃ムードを切ってしまった。同点の2回には右翼佐藤輝の“後逸”から勝ち越しを許し、4回には左翼森下の“後逸”から追加点を許す散々な黒星。3試合連続逆転負けで交流戦首位からも陥落。輝よ森下よ、今日13日からの仙台で名誉挽回の一撃を頼むぞ。
◇ ◇ ◇
最終盤にやってきた追い上げムードが、あっという間にしぼんでしまった。交流戦では西武相手に初の3連戦3連敗。藤川監督は「糧にしてね、あした以降、戦うと。それのみですね」と言葉少なに振り返った。
3点を追う8回。1死から中野の右前打、森下と佐藤輝の連続四球でつくった満塁の絶好機。5番大山でさあ一打同点だと機運が最高潮に高まった打席で、まさかが起きた。1ボールから4番手の山田が振り向きざまに素早い一塁けん制。不意を突かれた一塁走者の佐藤輝が憤死した。「しっかり反省してまた…。それだけです」。佐藤輝はくちびるをかみ、大山も凡退して痛恨の0が刻まれた。
チャンスをみすみす手放したプレーに、筒井外野守備兼走塁チーフコーチは「あれは大きかった。あってはならないプレー」ときっぱり。一塁コーチを務める自身も「あそこは佐藤だけの責任じゃない。勝敗にも影響したし、コーチとして反省している。何言っても言い訳になる」と責任を負った。
右翼守備でも痛恨のプレーがあった。1-1に追いつかれて迎えた2回。先頭山村の右中間へのライナー性に佐藤輝がチャージをかけたが、手前で跳ねた打球を止めきれずに“後逸”。記録は三塁打になり、長谷川の勝ち越し決勝の左前適時打につなげてしまった。
負の連鎖は続く。1点ビハインドの4回1死二塁では、平沼の浅い飛球に左翼森下がフェイクで捕球すると見せかけ前進したが、不規則に弾んだ軌道が変わって“後逸”。5月27日DeNA戦で左翼に就いてからの初失策で、二塁走者の生還を許すなど2失点のきっかけをつくってしまった。筒井コーチは「森下にしても、もうひとつ対応できなかった。輝明(佐藤)にしてもしっかり止めないと。三塁打にしている以上ダメです」と厳しかった。
2試合連続勝利の方程式が崩れた翌日は、打撃では頼もしい3、4番の拙走、拙守が響いての黒星。藤川監督は「いろいろ言っても一緒ですね。精いっぱいやろうとした結果ですからね。また明日ですね」と懸命に前を向いた。3夜連続の逆転負けで交流戦首位からも陥落。13日からは仙台で楽天3連戦。4連敗中の相手に、一丸で流れを変えるしかない。【磯綾乃】
▽筒井外野守備兼走塁チーフコーチ「(けん制死は)大きかった。あそこは佐藤だけの責任じゃなく、(一塁)コーチとしても背後だったり、もうひと工夫、声かけとかしないといけない。あってはならないプレー。コーチとして反省している。いろんなことはやったけど、対応できなかったので。(打球処理については)難しくはなかったけど、森下にしても、もうひとつ対応できなかった。輝明にしてもしっかり止めないと、三塁打にしてはいけない」
▼阪神が西武に3試合連続で逆転負けを喫した。阪神の交流戦での3連戦3連敗は、05年ソフトバンク戦、15年オリックス戦、16年ロッテ戦、18年ソフトバンク戦、19、24年楽天戦(1カード2試合のホーム&ビジターだった07~14年除く)に次ぎ7度目。西武相手では初めてだ。この3連敗で、西武戦の通算成績も36勝38敗と負け越した。