
<阪神1-0DeNA>◇27日◇倉敷
阪神が今季初のサヨナラ勝ちを決め、首位を守った。0-0の延長11回、先頭の代打糸原健斗内野手(32)のヒットからチャンスを作り、最後は森下翔太外野手(24)が押し出し四球を選んだ。右翼佐藤輝、左翼森下の新布陣で臨んだ一戦。序盤からDeNAバウアーに苦しめられる展開だったが、実数発表後最多となる3万434人の観客が見守った倉敷で、最後は笑顔の幕切れとなった。
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年に1度の倉敷で虎党の歓声が響いた。両者無得点で迎えた延長11回無死満塁。森下は粘りも見せてカウント3-2で8球目を迎えた。外角に大きく外れたボールを見逃して押し出し四球。今季初となるサヨナラ勝利だ。鋭い眼光を飛ばしたままバットを放り投げて喜びを表現した。
「なんとか外野フライでも1点入るケースだったので。そういう気持ちでいった。倉敷でホーム開催で勝ちを見せることができて良かった」
虎の主役たちはポジションが違っても元気だった。開幕から全試合右翼スタメンの3番森下は23年7月29日広島戦(甲子園)以来2年ぶりの左翼守備に就いた。25日中日戦(バンテリンドーム)ではプロ初の左翼を守った佐藤輝は、この日は22年以来に元定位置の右翼でスタメン。左翼と右翼が逆でも白星をつかみ連勝を決めた。
森下はいきなり初回から守備で魅せた。1死二塁で左翼ファウルゾーン方向に高く上がり風で戻された飛球を定位置から激走して捕球。「甲子園に戻ってみてレフトを守る機会があれば最大限のプレーができるように準備したい」と力を込めた。佐藤輝も3回は無死一、二塁からDeNA牧の高く上がった飛球をフェンス際でしっかりつかんだ。5回は先頭バウアーの落ちそうな打球を前進してキャッチ。守備でもわかせた。
藤川監督は「キャンプから常にやってきていますから、この形がどうなっていくかはわからないですけど、チームにとってベストな形と判断すれば、もちろんこういう形を取るというのは当たり前です」と説明した。試合はDeNAバウアーに苦しめられてスコアボードにゼロが並んだが、直近1週間で3度目となる延長戦の末に待っていたのは今季初のサヨナラ勝利。首位を走る虎が倉敷でも強さを示した。【塚本光】