
<スペインリーグ:エスパニョール0-2バルセロナ>◇15日◇第36節◇ステージ・フロント・スタジアム
バルセロナがエスパニョールとの「バルセロナダービー」を2-0で制し、2年ぶり28度目のリーグ優勝を成し遂げた。17歳のスペイン代表FWヤマルが1得点1アシストの活躍でチームを勝利に導いた。
前節、2位レアル・マドリードとの「クラシコ」を4-3でものにしたバルセロナは、勝てば優勝が決まる状況で敵地に乗り込んだ。
試合開始から主導権を握るも、相手の守備ブロックを崩せない。何度か相手のカウンターを受ける形で前半を折り返した。
後半開始と同時にDFマルティンに代えてDFバルデを投入。同6分には負傷したDFアラウホに代わってDFクバルシが緊急出場。アクシデント直後の同8分、恐るべき17歳がゴラッソ(素晴らしいゴール)で試合を動かす。ペナルティーエリア右角でボールを受けたヤマルがカットインし、ゴール左上に内巻きのスーパーショットを打ち込み先制に成功した。
1点リードで楽になったバルセロナは試合を優位に進める。同32分には背後に抜けだしたヤマルに対して相手DFカブレラが左腕を振って腹部を強打し退場。1人多くなったアウェーチームがより余裕を持った。
後半追加タイム5分には途中出場のFWフェルミン・ロペスからゴール正面でボールを受けたヤマルが相手DFを1人かわし、遅れてカバーに入った2人を出し抜くスルーパスを供給。これをロペスがゴール左に決めて試合を決定づけた。そのまま試合終了で歓喜を味わった。
バルセロナは今季、かつてドイツ代表を率いたフリック監督を招聘(しょうへい)し、躍進した。守備ラインを高く設定し、ラフィーニャ(18得点9アシスト)、レバンドフスキ(25得点2アシスト)、ヤマル(8得点13アシスト)の前線3枚がスピーディーに躍動するスタイルで圧倒的な強さを発揮した。3人だけで51得点を稼ぎ、2位Rマドリードに23点差をつけるリーグ戦97得点を積み上げた。中盤ではかじ取り役を担うMFペドリが常時ハイパフォーマンスを披露。国王杯も制し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)でもアルゼンチン代表FWメッシ退団後初となる6季ぶりの4強進出を果たした。ライバルRマドリードとの対戦でも今季は4戦全勝。国王杯決勝では延長戦の激闘の末勝利し、前節は0-2のビハインドから試合をひっくり返す勝負強さもみせつけた。新監督のもと、国内だけでなく、欧州の舞台でも久々に存在感を発揮した充実のシーズンとなった。