
<ドジャース9-3アスレチックス>◇14日(日本時間15日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)14日(日本時間15日)=斎藤庸裕】日本人コンビがチームに息を吹き込んだ。「1番DH」で出場した大谷翔平投手(30)は、今季13号の先頭打者アーチを含む4打数2安打。投げては先発の山本由伸投手(26)が、6回4安打3失点で今季5勝目を挙げた。前日は佐々木朗希投手(23)が右肩痛で15日間の負傷者リスト(IL)入りとなり、チームも11失点で大敗したが、この日はド軍に移籍2年目の大谷と山本が快勝の流れを生んだ。
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日本人トリオの一角が欠けても、頼もしい2人がいる。まずは大谷が前夜の大敗を消し去るような一撃を見舞った。1回無死の第1打席、内角ギリギリに食い込むスライダーをフルスイング。快音と打球角度だけでも本塁打と分かる右越えの先頭打者アーチで、自軍ベンチを一気に盛り立てた。先発マウンドに上がった山本は3回と4回に続けて失点したが、要所で声を張り上げながら力投。終盤でア軍を突き放したチームに火をつけたのは、投打の日本人スターだった。
前日13日、今季メジャー1年目の佐々木が右肩痛でIL入り。故障者の続出で、投手陣は苦しい状況に置かれている。2年目で主戦投手に成長した山本は「ケガはよくないことですけど、シーズンをやっていると仕方ないという部分もありますし。また早く帰ってきて、一緒に戦えたらいい」と後輩を思いやった。この日の登板は本調子とはいかなかったが、6回まで粘投。「チームも勝てましたし、なんとか粘れた。いいピッチングだったかなと思います」と振り返った。
主力だけでなく、苦境を全員でカバーするのがドジャース野球の特長でもある。この日は韓国プロ野球から加入した金慧成が5回にメジャー初本塁打。同点弾で援護を受けた山本は「2月から苦労してる姿も見てましたし、その中でも毎日明るく、すごくいいチームメートで。マイナーにいる時にすごく練習してきたんだろうなって。とにかく見ててもすごく楽しい選手ですし、本当に今日のホームランは自分のことのようにうれしかった」と喜んだ。大谷とともにさく裂した“アジアンパワー”も、山本の5勝目をアシストした。
8回は1死二塁から大谷の敬遠で勝負を挑まれた2番ベッツが、感情を爆発させる意地の2点適時二塁打で試合を決めた。大谷の先頭弾から、最終的に9得点。「やっぱり大谷さんが打つとチームも勢いづきますし、僕も大谷さんのような活躍ができるように頑張りたい」と、山本は謙虚にコメントした。「スター・ウォーズナイト」として開催された一戦。期待を背負う役者が、快勝に導いた。