
<UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL):インテル・ミラノ4-3バルセロナ>◇6日(日本時間7日)◇準決勝第2戦◇ミラノ(イタリア)
過去3度優勝のインテル・ミラノ(イタリア)が5度の優勝を誇るバルセロナ(スペイン)に延長の末に4-3で競り勝ち、2戦合計7-6として2季ぶりの決勝進出を果たした。インテル・ミラノは敗退寸前だった2-3の後半追加タイムにDFアチェルビ(37)が決めて追い付き、延長前半にMFフラテジ(25)のシュートで勝ち越した。準決勝のもう1カードはパリ・サンジェルマン(フランス)-アーセナル(イングランド)。決勝は31日にミュンヘンで開催される。
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ホームの約7万5000人のサポーターも敗退を覚悟した。後半42分に勝ち越し点を許し、勝負は決したかと思われた。だが、経験豊富な30歳以上のベテランが8人出場したインテル・ミラノは最後の最後まであきらめなかった。
2-3の後半追加タイム3分、37歳のDFアチェルビは自らの判断で最前線に残った。インザギ監督は「何も失うものがなくなったので止めなかった」。そうして訪れた最後のチャンス。右からのクロスを相手DFと競り合いながら右足でニアサイドを打ち抜き、土壇場で追い付いた。
3バックの中央で120分間フル出場した元イタリア代表DFはCL初ゴール。37歳85日での得点は、決勝トーナメントでは11年にマンチェスター・ユナイテッドのMFギグスがマークした37歳148日に次ぐ年長2位の記録となった。
延長に突入した後も36歳の元スイス代表GKゾマーが、17歳の天才FWヤマルの決定的なシュートを防ぐなど、120分間で計7本のシュートをセーブ。試合のMVPに選ばれ「多くのチームなら2-3となったら、あきらめていたでしょうが、私たちはあきらめなかった。だから逆転することができた」。多くのベテラン選手に引っ張られ、途中出場のフレッシュな25歳MFフラテジが延長前半9分に勝ち越し点を奪った。
就任4季目のインザギ監督の下、その戦いは成熟。出場選手の平均年齢は29・9歳で、10代の選手が3人出場した同24・8歳の若きバルセロナとの打ち合いを制した。「情熱を持ってあらゆる困難を乗り越えた。決勝にふさわしい選手たち。彼らの監督を務めることができて幸せ」。年の功で、15大会ぶりの欧州制覇に王手をかけた。