
川崎フロンターレの長谷部茂利監督(54)とMF脇坂泰斗主将(29)が2日、アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の決勝(3日=日本時間4日)アルアハリ(サウジアラビア)戦の前日会見に出席した。
クラブの悲願まであと1勝に迫り、長谷部監督は「いよいよ積年の思いを晴らすとき、チャンピオンになるチャンスが来ました」と気持ちを高ぶらせた。準々決勝で決勝点を決めるなどチームを引っ張る脇坂も「ワクワクした気持ちです。勝つことだけを考えて、チーム全員で決勝戦に臨みたいと思います」と力を込めた。
決勝も強敵に挑む。準決勝ではポルトガル代表クリスチャーノ・ロナウドやセネガル代表FWマネらを擁するアルナスル(サウジアラビア)を撃破。ファイナルの相手も元マンチェスター・シティのアルジェリア代表MFマフレズや元リバプールの元ブラジル代表FWフィルミーノら世界クラスのスターをそろえている。長谷部監督は「すべてがオーガナイズされていて監督、選手が最高に出来上がっているチームだと思います。非常に強い相手です。つけ入る隙がない」と警戒感を強めた。
アルアハリは政府系ファンドが莫大(ばくだい)な資金をバックに欧州のトップ選手をかき集めて急速にレベルアップした金満クラブだ。それでも長谷部監督は恐れることなく戦う。「予算のところは我々の世界では大事なことですけれども、プレーをするときにお金を持ってプレーはできません。財布を持ってプレーはしないですし、クレジットカードを持ってプレーしません。つまり、そこはプレーに大きく左右しない。それが競技者だと思います。プレーヤーで一番大事なのはピッチで何をするかです」と独特の表現でピッチ上での戦いの重要性を強調。脇坂も「最後の決勝戦は頭や体ではなく、心で体や頭を動かすような熱い戦いにしたい」と誓い、「世界のトッププレーヤーである選手たちに勝って優勝して帰ることでフロンターレを世界にもっとアピールできますし、フロンターレがもう一段階上のレベルに行くためにも優勝が絶対に必要」とタイトルへの強い思いをたぎらせた。