
<明治安田J1:京都2-1横浜FC>◇25日◇第12節◇サンガS
京都サンガがホームで横浜FCを下し、首位を堅持した。前半15分にFW原大智(25)が豪快に左足を振り抜いて先制弾。後半4分に同点とされたが、同26分に原の頭でのパスから、途中出場した「古都のネイマール」MF奥川雅也(29)が左足で勝ち越し弾を決めた。今季3度目の連勝で、前節クラブ史上初めて立ったトップの座を守った。
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ピッチ上の選手が。攻守に連動し続けた。「首位」京都が2ゴールで力強く勝ち切る。前半、ハイボールに競り勝って起点となり、再び受けたボールを持ち込んでネットを揺らしたFW原は「いい落としがくると思って走り込んでいた。あとは思い切り打った感じ」と味方の支援に感謝。後半の決勝点もアシストし「首位に立ち続けるには自分のゴールが絶対に必要だと思う。しっかり準備していきたい」と満足しなかった。
前節、クラブ史上初の1位。なぜ強いのか。世界最高と言われるイングランド・プレミアリーグ、をも上回るとされる強度の高さがチームを引き上げてきた。
昨季プレミアとのデータ比較では、チーム別の「高強度走行距離」(続行中のプレー時間90分換算)で平均で1位。当然、舞台が違うため単純比較だが、プレミアでトップのボーンマスが残した1636メートルを上回る1690メートルを、京都は記録した。トットナム、リバプールといった名門にも引けを取らないことが数字で証明された形で、この日も全員がハードワークし続ける京都らしさを発揮した。
相手のカウンターの場面では、左ウイングの松田が自陣ゴール前まで相手を追った。逆に速攻のチャンスではセンターバックの宮本が飛び出してドリブルで運ぶなど、まさに全員攻撃全員守備を体現。曺監督体制5年目の今季に、強みを勝利につなげられるまでに完成度を高めた。
この変化に指揮官は「そうなってもらいたいと思っていたところが、選手たちに芽生えてきた。積み上げは大事」と確かな手応え。昨季までは苦しみも味わったチームが、今節も首位をキープ。「この順位がフロックとは思っていないが『春の珍事』だと言われないようにしていかないといけない」。上位定着に向けて引き締め直し、今後も京都らしいハードワークでの勝利を約束した。【永田淳】