
<巨人2-0中日>◇22日◇東京ドーム
巨人大城卓三捕手(32)が連夜の一撃で中日を沈めた。0-0の8回1死、中日マルテの156キロを一閃(いっせん)。打った瞬間にスタンドインと分かる2試合連発の2号決勝2ランを右翼席に放り込んだ。開幕から無失点を続ける先発山崎伊織投手(26)は5回5安打も粘り倒して無失点。07年高橋尚成の開幕から28イニング連続無失点の球団記録に並んだ。投打がかみあって、チームは2連勝。25日からの阪神3連戦(甲子園)に弾みをつけた。
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「こいよ!」。山崎の心に、甲斐のジェスチャーが火を付けた。「ちょっとひきたい場面でも伝えてくれた」。4回1死満塁、中日木下に内角攻めを貫いた。2球目のスクイズをファウルにさせると、5球目の147キロのシュートでバットを折った。三ゴロに仕留め、続く柳も投ゴロに。窮地を切り抜け、「イオリ! イオリ!」の大歓声の中を微笑で引き揚げた。
抑えれば球団記録に並ぶ5回も2死一、三塁から細川を右飛に仕留め、28イニング目の「0」をマーク。5回裏に代打が送られ、103球でマウンドを降り、「(甲斐に)助けられて粘って、試合は作れたかな」と感謝の快挙となった。
“開眼”は開幕直前だった。オープン戦5試合で防御率6・48と苦しんだ原因を探り、「打ちやすいというか、ボールが見やすいとか、角度がないとかなのかな」と行き着いた。手を付けたのは「いじると良くない」と理解はしていたテイクバックだった。「より自分に巻きついて投げるイメージ」への微修正を決断し、快進撃につなげた。
あと1アウトで球団新、その先にはセ・リーグ記録で63年中井(阪神)と23年村上(阪神)の31回も見えてきた。「いつかは打たれる。取られた時に気持ちをどうもう1回入れて投げられるか」と見据え、0街道を行く。【阿部健吾】