
<ソフトバンク5-5オリックス>◇22日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンク周東佑京内野手(29)が開幕からの連続試合安打を「18」に伸ばし、球団記録に王手をかけた。左膝に痛みを抱えながら「1番中堅」でスタメン出場。4回の第2打席で二塁内野安打をもぎとった。11年に本多内野守備走塁兼作戦コーチが記録した19試合まであと1試合。さらに今季初の猛打賞のおまけつきだ。不屈の選手会長がチームを鼓舞し、試合は延長12回の末に今季2度目の引き分けに終わった。
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福岡の韋駄天(いだてん)がまた打った。4回の第2打席で二塁内野安打。中堅に抜けそうな打球を好捕されたが、俊足周東はセーフにしてしまう。開幕18試合連続安打だ。「いつかは途切れるもの」と過剰に意識しなかった記録は、またつながった。
不屈の男。前カードの18、19日の西武戦では左膝に違和感があったため、欠場した。それでも20日のカード3戦目でスタメン出場して右前打。「(左)膝の状態を確認しながらになると思いますけど。試合に出る以上は最後まで出るつもりで」と意気込んでいた男が、この日で球団記録に王手をかけた。11年に本多内野守備走塁兼作戦コーチが樹立した19試合まであと1試合。“師匠”の背中を射程にとらえた。
絶好調なリードオフマンは1本で終わらない。1-4の7回2死一、二塁では1点差に迫る右中間への2点適時二塁打。下位打線から作った好機を実らせ「つないでもらったチャンスを何とか生かしたいと、その思いだけでした」と二塁ベース上でガッツポーズが飛び出した。9回の第5打席では左前打で今季初の猛打賞。同イニングの川瀬の起死回生2点打につなげた。
柳田、近藤、正木がいないチーム状況で最も怖いのは周東の離脱だ。小久保監督は「(コンディションを)気にせなあかんのはあいつ(周東)くらい。ズバ抜けた能力があるから負担も大きいんでしょうね」と慎重な起用を継続する方針。長いシーズンで欠かせない存在だからこそ、次週に控える9連戦は休ませながら起用する見込みだ。指揮官は「本人とも話しているけど、全試合フルは難しい」と見通しを語った。
試合は延長12回の末、今季2度目の引き分けに終わった。12回2死一塁から周東の4本目の安打で二、三塁としたが、今宮が遊ゴロに。だが負けていれば88年以来37年ぶりとなるホーム10戦で1勝9敗、福岡移転後は初の屈辱だったが、周東の活躍で回避した。【只松憲】