
<巨人8-1中日>◇22日◇東京ドーム
巨人井上温大投手(23)が奪三振ショーを演じた。
序盤から味方の援護を受け、スタンドではオレンジのタオルがクルクル回った。やや汗ばむ陽気には、ちょうどいい。中日打線のバットもクルクル回った。8回3安打1失点、107球で涼しい顔のまま役目をまっとうした。お立ち台では「気持ちいいです」と第一声。「いつもと変わらずに先頭打者、先制点を与えないように投げていました」とうなずいた。
打者27人に14奪三振の“あの記憶”と重なった。12年5月30日楽天戦で杉内(現・投手チーフコーチ)が完全試合まであと1人のノーヒットノーランを達成して以来の14奪三振。球団の左腕最多記録に並び「そうなんですか!?」と驚きつつ「三振っていうものは自分の中でもやっぱり取りたいものなので、結果的にこうやって多く取れたので良かったです」と、大きくうなずいた。
序盤は直球主体で押し、中盤以降は変化球を多投した。甲斐とのバッテリーも日に日に心が通い合い「甲斐さんが(ボールが)抜けてきてるなとか感じたら、マウンドに行く前に『こうやっていこうね』って言ってくれるので、頭で整理しながら投げられている」と感謝した。井上の快投で、今週も白星発進に成功した。【為田聡史】