
ソフトバンク山川穂高内野手(33)が、打棒復活を誓った。開幕から19試合を終え、打率2割8厘、4本塁打、13打点。一時は打率2割8分をマークも、直近6試合は同4分3厘(23打数1安打)、0本塁打、1打点と低迷する。現状打破へ、技術的な部分の修正、思考の整理を挙げた。ここまでチームは7勝11敗1分けの借金4でパ最下位に沈む。反攻に向け、開幕から全試合で4番に座る主砲ならではの一打を取り戻す。
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落ち込んでいる様子など、ない。前々週は計5試合で打率4割7分6厘、3本塁打、6打点の大暴れ。ところが、直近6試合は同4分3厘、0本塁打、1打点と快音が消えた。「見ての通りです。修正するしかないですし、それの繰り返しなので」。極度のスランプにも、山川は先を見る。過去4度、本塁打王に輝き、実績に裏打ちされた自信がある。
不振の要因は“ずれ”だ。「バッティングの動きが良ければ打てますし。いい時と、今はずれが生じている感じでしょうね」。長丁場のシーズンを戦い抜く上で、日々、体調は変化する。体にちょっとの張りが生じ、理想の打ち方ができなくなることもある。その都度「修正ですね」。自宅で素振りを行い、休日返上で本拠地の室内練習場でマシン打撃に取り組むこともある。好不調にかかわらず、調整に打ち込む姿勢は変わらない。
開幕からチームでただ1人、4番で全試合出場を続ける。大当たりだった前々週はチームは5連勝を飾るも、先週は1勝5敗と大きく負け越した。4番の成績がチームの勝敗に直結する状況にも、山川自身は「それは感情論になる」と言う。「打席で『この場面で絶対に打ってやる』とかじゃなくて『このピッチャーはこうやって打つ』とか。『こういうふうに合わせよう』とか。全部、技術です。打撃フォームが全てです」。打席内で、山川流の思考をめぐらせる。
チームは借金4を抱える。柳田、近藤、正木が相次いで離脱し、パ最下位から抜け出せない。だが、山川は「これが優勝争いをしていての状況ならやばいですけど、まだ19試合」とキッパリ。本音を言えば「漫画みたいに『絶対に4番が打ってやる』みたいなことを言いたいんですけどね。試合で思うと、力んでしょうがないので」。22日から首位オリックスを迎え撃つ。浮上へ、4番は自然体を貫く。【佐藤究】