
<レンジャーズ4-3ドジャース>◇19日(日本時間20日)◇グローブライフフィールド
【アーリントン(米テキサス州)19日(日本時間20日)=四竈衛】ドジャース佐々木朗希投手(23)が、レンジャーズ戦で今季最長の6回2安打2失点と好投。初勝利の権利を持って交代したが、チームは逆転サヨナラ負けし、勝敗はつかなかった。
手元から白星がこぼれても、手応えはしっかりと残っていた。立ち上がりは球速約150キロ前後。スピードが上がらず「僕もちょっとびっくりした」と戸惑っても、3回に先制2ランを浴びても、頭は冷静だった。スプリット、スライダー主体で組み立てるうちに、エンジンがかかり、球速は最速156キロまでアップ。1点リードで迎えた6回1死一塁からは注文通り併殺を奪い、78球で締めくくった。「もっと上げていかなきゃいけないんですけど、とりあえず今日は先発としての仕事ができて良かったです」と振り返った。
3月の日本でのMLBデビュー戦以降、制球が定まらずに苦しんだ。この日も3四球を与えたが、球質はOK。過去4戦で50%だった初球ストライク率は73%(22打者中16回)まで上昇した。「ただあげただけの四球ではなかった。テンポ良く投げることができたかなと思います」。四球の内容に目を向けられる状態まで、調子は戻ってきた。
初勝利こそお預けとなったものの、意に介する様子はない。「これまでブルペンに迷惑を掛けてきた。いつも助けてもらっている分、たくさんイニングを投げて、チーム全体で毎試合、勝ちを目指していけたら」。メジャーで先発投手の評価基準となるクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を初めてクリアした。「1年を通して投げること」を目標に掲げた右腕が、確かな足取りで新たなステップを踏んだ。