
さあ、甲子園で虎祭りだ。阪神藤川球児監督(44)が甲子園凱旋(がいせん)について8度も「楽しみ」と繰り返した。前カードでは敵地東京ドームで宿敵巨人に3連勝し、リーグ単独首位。最高の形で本拠地に帰還した。8日からの甲子園ではヤクルト、中日を迎え撃つ。8日の試合前には豪華なレジェンドOBもグラウンドに集結する。黄色く染まるスタンドに後押しされて球児虎がさらに勢いを増す。
◇ ◇ ◇
単独首位というお土産を持って今季初めて甲子園でゲームを迎える。高鳴る気持ちを抑えきれない。それは普段は冷静沈着な藤川監督でも同じだった。「楽しみ」という言葉を8度も使ってその興奮を表現した。
「もう特別。みんなが楽しみにしていると思う。選手たちも、選手の家族も、自分の家族もそう。やっと『家』に帰れるという感じじゃないですか」
ヤクルト3連戦チケットは完売。11日からは中日3連戦も控える。「1週間、6日間、甲子園でゲームができる。ファンの方々に、これまでの9試合と違って、すごく熱い熱い声援がもらえる球場でできることは本当に心強いし、楽しみですね」。現役時代と同じ22番を背負う指揮官は知っている。勝利を託されたマウンドで背中を押すそのパワーを。
「ファンの方々は、すごく大切な戦力。身をもって体験していますしね。すごく楽しみです」
「セレモニーも楽しそうですね」。球団創設90周年のメモリアルイヤー。開幕セレモニーも盛大だ。試合前には球団OBたちがかつての守備位置に就く。現役時代の登場曲をLINDBERG渡瀬マキ(56)が生歌唱する。「少しわがままかもしれないですけど、楽しませてもらおうかなと思うし、それでチームが一体となって進んでいければなと思います」。スタジアムに響き渡る歓声を吸い込んで、チームが勢いづくことを願った。
佐藤輝がリーグトップの4本塁打で打線をけん引。チーム6本塁打もリーグ最多だ。「佐藤も森下も近本も本塁打が出ているし、みんな状態がいいので、楽しみにその日を迎えたい」。ヤクルトには昨年5月18日から甲子園では6連勝中と好相性も追い風だ。「形はできつつあるので大丈夫だと思います。うまくゲームの展開が進むと思いますけどね」。聖地での首位固めへの自信があふれ出た。【伊東大介】