
<阪神1-7DeNA>◇1日◇京セラドーム大阪
DeNA打線の破壊力を見せつけた。先制された直後の3回2死、牧秀悟内野手(26)が今季14打席目で初アーチとなる同点ソロ。この一打で通算100号アーチに王手をかけた。さらに6回にも2本の適時打と押し出し四球で3点を追加。タイラー・オースティン内野手(33)を欠く中、3月16日にドジャース打線を5回1安打無失点に封じた阪神才木浩人投手(26)を攻略。9回にも3点を追加し、11安打7得点で快勝した。
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牧が才木の152キロを粉砕した。先制された直後の3回2死、初球だった。高めに浮いた球に力負けせずに振り切った。打った瞬間にはもう、確信していた。今季14打席目で初アーチとなる同点ソロでゆっくりとダイヤモンドを1周。「流れを渡したくなかった。1球で捉えられたのが良かった」と、左翼席のDeNAファンと今季初のデスターシャポーズで喜んだ。
これが節目のアーチに王手をかける通算99号。キャプテンがもり立てると味方も続いた。移籍後初スタメンの三森がこの日2安打目となる中前打。すかさずこの日2盗塁目となる二盗を決めてかき乱した。筒香の四球、宮崎の左前打で1死満塁とし、佐野、山本の適時打、森敬の押し出し四球などで3点を追加。三浦監督も「コースに逆らわずに後ろに後ろに回して、打線がつながったと思います」と満足げだった。ベンチを外れたオースティンはコンディション不良とみられ「大事をとって、無理させなかったです」と説明。4番不在でも確かな破壊力を見せつけた。
大谷から三振を奪うなど世界一のド軍打線を5回1安打無失点に封じた才木を、つないでつないで攻略した。3月16日、ド軍打線と対峙(たいじ)する同学年右腕の投球を牧はテレビで観戦。自分が打席に立った姿をイメージした。昨年11月のプレミア12でも同僚で「スーパーピッチャーですし、追い込まれたらなかなか打てない」と謙遜しつつも、通算打率は3割1分6厘と得意にする。「今日はたまたま1球で仕留めることができたので、次につなげていきたいです」。低姿勢でリスペクトする右腕からの一打をかみしめた。
阪神のホーム開幕戦で相手の出ばなをくじく快勝。王手をかけた通算100号にも「特に気にしてないです」と意に介さず。DeNAの強力打線の中心は今年も牧だ。【小早川宗一郎】
▽DeNA佐野(同点の6回1死満塁、才木から今季初安打となる右前への勝ち越し適時打)「みんなでつないで作ったチャンスだったので自分もつなぐことができて良かった」
◆入団5年目までに100号。5年目の牧が通算99号。入団5年以内に通算100本塁打は、4年目で到達した21年村上(ヤクルト)ら9人を含め、過去25人。DeNAでは4年で到達はおらず、大洋時代の63年桑田、横浜時代の07年村田の5年が最速。牧が2人に並ぶ5年目での100号に王手をかけた。」