
米球界にミラクルが芽生えた。米国内各地での試合を通じてプロ契約を目指すトラベリング・チーム「アジアンブリーズ」に今オフ所属したディラン・ヘット投手(31)が、大リーグ・ジャイアンツとマイナー契約を結んだことが1日、分かった。
奇跡の投手だ。ヘットは学生時代に98マイル(約157・7キロ)を投げて将来を嘱望されたものの、胸郭出口症候群で5年間投球が不能に。手術後も好転せず、21年に現役引退していた。
しかし草野球を続ける中で突如、球速が回復。このオフはアジアンブリーズに所属し、3月14日のカブス戦で99・3マイル(約159・8キロ)をマーク。奇跡の復活にジャイアンツが着目。31歳ながらマイナー契約に至った。
ヘットは「アジアンブリーズでのプレーが人生の大きな転機になりました。もう一度プロ野球の世界に挑戦できるのは夢のようです」とコメントしている。
アジアンブリーズは米アリゾナ州を中心に活動するトラベリング・チームで、24年オフにはトレイ・バウアー投手(現DeNA)が電撃参戦し、ドジャース戦に登板したことでも話題になった。その試合でマスクをかぶった大友宗捕手(25)は昨秋、ソフトバンクに育成3位で指名されるなど、注目を高めている。