
<西武5-7日本ハム>◇30日◇ベルーナドーム
日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が開幕3連勝の立役者となった。西武戦は3打数3安打1四球と全出塁で全得点に絡むチャンスメーカーとして貢献。開幕3連戦はすべて「3番DH」で出場し、11打数6安打、1本塁打、1打点、打率5割4分5厘と打ちまくった。
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レイエスが、激走した。5回2死。強烈なライナーを遊撃へ飛ばした。名手源田が捕球しきれず。中堅方向へ打球が転々としているのが見え、一塁を蹴る。「外野手もボールから結構離れていた。それを見て、行こうと思ったんだ」。スピードを落とさずに巨体を揺らして二塁へ突進した。記録は遊撃強襲の二塁打。ベンチの新庄監督も拍手を送る、積極果敢な走塁が野村のこの日2本目のアーチを誘発した。
第1打席から、勝利への思いがあふれていた。1回は2死から三塁線を破る二塁打。打った直後から全力疾走を怠らないからこそ、スタンディングダブルでチャンスメーク。3回1死一塁の第2打席は四球を選び、好機を拡大。8回にも中前打で追加点の起点となった。「やる気に満ちあふれているよ」と代走で交代するまで4打席、全出塁。フル回転の活躍だった。
63年ぶりの開幕3戦3勝の立役者だ。開幕カードではチーム唯一の3試合連続安打で打率5割超え。「母国でやってきた練習が今の結果につながっている」。オフはドミニカ共和国で“マイナー経験者ら14人の打撃投手を雇って打撃を磨いた。その成果もあってOPS(出塁率+長打率)はリーグトップの1・615。超一流が1・000以上と言われる部門で驚異の数字を残したように、力強く打線を引っ張った。
昨季は開幕アーチ後に不振に陥ったが、今季は心配ない。「去年は来日1年目で自分がやらなきゃとプレッシャーもあった。でも(2軍降格で)鎌ケ谷に行っていろんな人からサポートを受けていろいろ学び、自信が付いた。今はずっとポジティブだよ」。次は待望のエスコンフィールドでの本拠地開幕戦。チームのために、大好きなファンのためにも、また打ちまくる。【木下大輔】