
<ドジャース7-3タイガース>◇29日(日本時間30日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)29日(日本時間30日)=斎藤庸裕】ドジャース佐々木朗希投手(23)が本拠地デビューの先発マウンドに臨んだが、唇をかむ結果となった。1回から制球に苦しみ、3安打と2四球で2点先制された。2回も修正できず、1回2/3を3安打2失点4四球で降板。チームは打線が奮起し、開幕5連勝を飾った。ロバーツ監督は試合後、佐々木の奮起を願い、プロフェッショナル精神を熱弁。若手を育てながら、勝ち続けるド軍の強さが見えた。
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佐々木は悔しさをグッとこらえながら、前を向いていた。本拠地デビュー戦。東京で開催されたメジャー初登板と同様に制球が乱れた。1回2/3で2失点、押し出し含む4四球を与えた。直球の平均球速は96・9マイル(約156キロ)。球威にも物足りなさがあり、試合後「特に変な緊張とかはなく挑めてはいたんですけど、もう本当にシンプルに技術不足かなとは思ってます」と課題を口にした。
才能ある若手を育てながら、勝つ。ドジャースが長年、ポストシーズン常連の強豪たるゆえんでもある。ロバーツ監督が佐々木の成長を願い、熱弁を振るった。「彼はこれまでずっと、成功を経験してきた。おそらく動揺し、落ち込んだと思うが、プロとして練習し続けなければならない。成長曲線の過程であって、我々は今後も彼を必要とするだろう」。時折、語気を強めながら、常に改善し続ける姿勢を求めた。
佐々木は降板後にいったん、ダッグアウト裏に姿を消した。だが、その後ベンチへ戻り、最前列で2番手の左腕ドライヤーの投球を見届けた。呼び戻した理由について同監督は「彼と少し話がしたかっただけ」と多くは語らなかったが、「新しい環境に加えて、若い選手。雰囲気も違う。私は彼が練習し、良くなるために戦い続けると思っている」と期待。メジャー2年目の山本由伸にしても、同じような経験を積んだ。昨季はデビュー戦でふがいない投球に沈んだが、チームが勝ち続ける中で自信を取り戻し、チームに欠かせない中心選手に成長した。
時折、選手に対して厳しく指摘することもあれば、前向きに背中を押すことも忘れない。「私としては深く考えずに、サポートを続けたい」と語ったロバーツ監督。一方で、佐々木は「日々、新しい課題が出てくるので、そこに向き合ってやっていくしかない」と顔を上げた。この日チームは打線が奮起し、開幕5連勝をマーク。佐々木が困難を乗り越えれば、将来的に投手陣にもさらに厚みが出る。若手育成と常勝を両立させるド軍は、やはり強い。