
第97回選抜高校野球大会の決勝が、30日に甲子園球場で行われる。決勝では初顔合わせとなる両チームが休養日の29日、それぞれ練習を実施。智弁和歌山は横浜市出身のエース右腕、渡辺颯人投手(3年)が幼少からの「憧れの高校」との頂上決戦に胸を躍らせた。紫紺の大優勝旗をかけ、名門同士がいよいよ激突する。
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智弁和歌山は31年ぶりの春頂点まであと1勝に迫った。決勝戦を翌日に控えた29日は休養日で、兵庫県西宮市内で取材対応。横浜の“秋春連覇”阻止へ、横浜市出身のエース渡辺颯人投手(3年)が燃えた。
「一番憧れの高校でもありますし、ずっと見てきた高校。甲子園の決勝という最高の舞台でできるのはすごく楽しみ。点を取られなければ負けることがないので、絶対に0で抑えたい」
地元の横浜を離れ、日本一を目指して同校に進学。最終学年となり、今春は背番号1を背負い地元の名門校と甲子園決勝で戦う。「強い相手ですし楽しみ」と立ち向かっていく覚悟だ。
横浜には高め合ってきた友もいる。為永皓内野手(3年)は家が近所。チームは違ったが、放課後に公園で一緒に練習することも多々あった。昨年末には一緒にディズニーランドを満喫。頻繁に連絡を取り合う仲で「甲子園で対戦する」という夢を掲げ、決勝という舞台で実現。前日28日にも連絡を取り合い「1つ夢がかなったな。お互い頑張ろう」と健闘を誓い合った。
渡辺は今大会26回を投げて自責点は1。チームとしても1大会として春夏通じて初の3完封と鉄壁だ。準決勝では打球が右すねに直撃したが「肩肘も、昨日当たった足も全然いい状態」と問題なしを強調した。
夏も含めて令和初の複数回優勝に王手。「チームが勝つために攻撃につながるピッチングがしたい。優勝して、支えてくれている人たちを喜ばせたい」。エースが頂点へと導く。【林亮佑】