
<明治安田J1:新潟3-3G大阪>◇第7節◇29日◇デンカS
運も実力のうちか。アルビレックス新潟は29日、ホームでG大阪と3-3で引き分け、開幕7戦勝ちなしとなった。前半18分にMF長谷川元希のゴールで先制したものの、その後に「ミス」が絡んで2失点。1-2から途中出場の2人がゴールを決めて逆転に成功したが、押し込まれた終盤にMF宮本英治のハンドでPKを献上。不運な形で3失点目を喫し、今季リーグ戦初白星を逃した。
それでも光明はあった。暗い気持ちを少しでも明るくするため、まずはこの試合で達成された好記録に目を向けたい。今季は前節まで計6得点。そのうち4点が前半で、後半に1試合2得点は今季初めてだった。
さらに、今季ここまで1点もなかった途中出場選手にもゴールが生まれた。しかも2人。後半29分にMF奥村仁が右足ダイレクトで蹴り込み、同37分にはFW矢村健がG大阪の元日本代表DF中谷進之介をシュートフェイントでかわして右足でねじ込んだ。
新潟で途中出場の2人がゴールは、07年3月11日にFW河原和寿とMF田中亜土夢がホームの浦和戦(2-2)で記録して以来、J1では18年ぶりだった。だが、そこから追加点を目指すのではなく、時間稼ぎのようなプレーをしては勝利の女神にも見放される。
そうしてクラブワーストの16戦未勝利で、最下位に転落。宮本は涙を流した。ただ、同点のPKを決めたG大阪のエースFW宇佐美貴史は試合後「新潟のサッカーが素晴らしかった」と言った。次節は中3日で再びホームで福岡と対戦。落ち込んでいる暇はない。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「解析料理」)