
アルビレックス新潟が29日、ホームでガンバ大阪と対戦する。リーグ戦は6試合を終えて3分け3敗の19位。ここまで完封がないチームは今節に向け、守備強化に時間を割いた。失点減に期待が懸かるDF森昂大(25)は得意のヘディングと、攻撃の入り口となる配球を最終ライン中央で発揮できるか。J2徳島ヴォルティス時代に指導を受けた敵将ポヤトス監督(46)の前で成長を示し、新潟に今季初の勝ち点3をもたらしたい。
最終ライン中央でボールをはじき返し、勝ち点3奪取に導く。G大阪戦前日の28日、森は2チームに分かれて行うパス回しで高く跳ね上がったボールをジャンプヘッドで味方につなぎ、“予行練習”を終えた。「ここから始まる(公式戦)5連戦。初戦に勝って勢いをつけたい」。出番に向け、メンタルもコンディションも上々だ。
J2徳島から完全移籍で加入した期待のセンターバックは空中戦で強さを発揮し、正確なフィードで攻撃の起点になる。だが、J1初先発となった15日FC町田ゼルビア戦(0-1)は前半のみで交代を告げられた。「あの時間に守備の人間で交代することはあまりない。悔しかった」。細かい部分の立ち位置や周囲とのコミュニケーションの重要性を痛感したが、「悲観せずに取り組めている」。先発奪取に向け、今週、繰り返された守備練習ではマークとボールを同一視野に入れながらクロスを遮断する能力の高さを改めてアピールした。
初のJ1舞台で伸びしろを感じながら迎える今節は、大卒1年目の22年に徳島で指導を受けたポヤトス監督との初対戦ともなる。当時、リーグ戦で起用されることはなかったが「立ち位置などビルドアップの入り口の重要性は細かくいわれた」。成長を続け、翌23年に32試合、24年は全38試合出場1得点と主力に定着し、J1の新潟にステップアップを果たした。
プロの基礎を築いてくれたかつての指揮官に成長を示し、19位に沈む新潟を上昇気流に乗せることができるか-。ここから始まる公式戦5連戦。4月9日には故郷長野でJ3松本山雅FCとのルヴァン杯2回戦も控える。「連戦は総力戦。全員で一丸となって勝ち越したい」。まずは今季ホーム初勝利をつかむ。【小林忠】