
<西武0-2日本ハム>◇28日◇ベルーナドーム
日本ハム新庄剛志監督(53)は、西武打線を相手に8回を無失点で投げ終わった金村尚真投手(24)に向かって「(最後まで)行っちゃうよ」と声をかけた。うなずいた右腕は9回もゼロを並べた。3年目で初めて務めた開幕投手で、プロ初完投初完封勝利。球団では08年ダルビッシュ有以来となる開幕戦でのシャットアウト劇に「守りで勝てましたね。金村君もオフから準備してきたことを全て出してくれた」と激賞した。
大役を通達したのは昨年11月30日のファンフェスだった。ファンの前でのサプライズ発表。長かったようで短かった開幕までの118日間を、金村は「充実してました。責任感も生まれた」という。この日、心に決めていたのは「先制点を絶対に与えない」こと。昨季は投手戦でも先に崩れるところがあった。完投や完封も手が届きそうで届かなかったが、開幕投手を任された意義を示すような大舞台でのゼロ行進。「開幕投手を言われてからずっと勝つためにやってきた。結果として表れてくれた」と安堵(あんど)した。
新庄監督も「安心しかないピッチングをしてくれました」と、一皮むけそうな金村の投げっぷりがうれしかった。頼もしい右腕の姿はバックの攻守も引き出し、7回には清宮幸、9回にはレイエスのソロ本塁打が飛び出す理想的な展開で快勝。「今井君もすごくいいピッチングをして、投手戦になることは分かっていた。予想が1-0か2-1だったんすよ。そしたら2-0やった。外れたぁ」と冗談交じりに笑ったが、最高の船出に「1戦目で1勝したということは…あと2つ、取りに行きます」。信じて開幕を託した金村の快投から、開幕3連勝でのスタートダッシュを見据えた。【木下大輔】