
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)27日(日本時間28日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、本拠地開幕戦で“目覚め”の1発を放った。「1番DH」で出場し、4打数2安打1打点。7回2死の第4打席で貴重な追加点となる2号ソロを放った。18日から東京で開催された開幕シリーズでは、カブスを相手に2連勝。今季1号をマークした2戦目から1週間以上経過し、まだ時差ボケのような違和感があるものの、好調の大谷が2戦連発でチームの3連勝に貢献した。
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目が覚めれば、集中力も研ぎ澄まされる。7回2死、大谷独特の逆方向アーチが、左翼フェンスを悠々と越えた。観戦したトム・ハンクスやマジック・ジョンソン氏が大興奮するなど、満員5万595人の大歓声が響いたスタジアム。終盤で欲しかった1点を理想的な形で奪った大谷は試合後、「いいところで打てたと思いますし、こうやって(ワールドシリーズ制覇の)セレモニーもして、特別な(米国)開幕戦の中で1試合目を取れたのは大きいと思います」と、すがすがしい表情で喜びを表現した。
東京での開幕シリーズから約1週間。再スタートを切ったが、やや違和感があった。「少し時差ボケみたいなのが残っていると思う」。第2打席で右前打を放ったものの、昨季のサイ・ヤング賞左腕スクバルに第1打席、第3打席はともに引っ張ったゴロで凡退した。「ちょうど試合が始まったぐらいが一番眠気があるというか、そういう感じ。しっかりと起きる時は起きて、寝る時にはしっかり寝るのが大事かなと」。体調管理に微調整の必要がある中、お目覚めの第4打席できっちり結果を残した。
本拠地開幕戦で雰囲気もひと味違った。昨季の世界一を祝い、セレモニーでは共同オーナーのマジック・ジョンソン氏が優勝トロフィーをファンの前で掲げ、チャンピオンフラッグがバックスクリーン後方に高々と披露された。同僚とともに、フィールド上で拍手喝采を浴びた大谷。「ファンの人もそうですけど、選手みんなも一生懸命やって目標を達成できたことで、チームとして1つ結束力が上がったんじゃないかなと。本当に今年また、それができるように頑張りたい」と、改めて誓った。
本塁打の打席では3球目、95・8マイル(約154キロ)の真ん中ツーシームを打ち損じてファウルとした。6球目、ほぼ同じコース、同じ球速の速球をコンパクトに振り切った。計り知れない期待を背負う中で、冷静に、微修正を結果につなげた1発。「もう開幕してますし、比較的東京シリーズよりは自然に(試合に)入れたかなと思いますけど、セレモニーをやって、また新たに連覇をしたいなという気持ちが強くなりました」。打席間に打撃映像や投球データのチェックを繰り返し、打席を終えてもスイング軌道の確認を怠らない。その姿が、大目標への道を開く。