
<センバツ高校野球:聖光学院4-3常葉大菊川>◇22日◇1回戦
3年ぶり7度目出場の聖光学院(福島)が常葉大菊川(静岡)に延長12回タイブレークの末、4-3でサヨナラ勝ちした。先発の大嶋哲平投手(3年)が123球の熱投。10回2失点(自責0)で甲子園デビューを飾った。3-3の12回裏1死一、三塁で鈴木来夢(らいむ)外野手(3年)の中犠飛が決勝打となり、3年ぶりの春白星。センバツ最長となる延長12回の激闘を制し、春夏通算甲子園30勝目を挙げた。
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3年ぶりの春白星はうれし涙の幕切れだった。前打者管野が右前安打も、右翼手の好返球でホームタッチアウト。その光景を目の前で見ていた。「ここで回ってきたということはそういうことだ」。1ストライクからの2球目。内角の変化球を迷いなく振り抜き、決勝の中犠飛とした。ベンチから一斉に飛び出したナインの目に光るものを見て、「サヨナラが決まった瞬間は全員泣いてて、自分が決めることができて良かったです」と安堵(あんど)の表情をみせた。
昨秋は守備固め要員だった鈴木がバットでチームを勝利へ導いた。「この冬は変わりたい一心でやってきたので、こういう形で結果を出せて良かったです」。2回戦では早実(東京)と対戦する。「良いバッターがたくさんいると思うので、持ち味の守備力で戦いたいです」。堅守に加え、ひと冬をかけて磨いた打撃でも勝負する。【木村有優】
◆タイブレーク3イニング 常葉大菊川-聖光学院は延長12回で決着。タイブレークの3イニングは23年夏の鳥栖工3-2富山商(12回)に次いで2度目となり、春は初めて。23年夏は10回が両チーム無得点、11回に1点ずつを取り合い、12回に鳥栖工がサヨナラ勝ち。タイブレークで両チーム2イニングずつ得点を挙げたのは春夏を通じ初。
◆東京キラー 2回戦で聖光学院と早実が対戦。福島県勢は春夏通算で東京勢に過去5戦全勝(5勝のうち聖光学院が4勝)。