
<センバツ高校野球:二松学舎大付3-2柳ケ浦>◇18日◇1回戦
柳ケ浦(大分)の主将、田原光太郎外野手(3年)が執念の一打を放った。
1-3で迎えた9回2死三塁。「次につなぐ意識で。低い打球を打ってやろうと」。カウント3-1からの5球目、真ん中高め直球をコンパクトに仕留めた。ライナー性の打球は中堅へ抜けていく。1点差に迫るタイムリーに、一塁ベース上で両手を2度たたいた。「あまりヒットが出ていなかったので。安心というか、打てて良かった」と待望の快音に胸を張った。
不振に陥った。昨秋は全9試合に出場も、打率0割9分5厘(21打数2安打)。今大会前の練習試合でも調子は上がらず、この日はベンチスタートだった。4回裏の守備から中堅で途中出場。最終回の第3打席目、聖地でようやく出た1本だった。鈴木聡監督(53)は「今日は途中から出て、何か合っているなと思って。(秋は打率)1割もないですから、いつもなら代打を出していたと思うんですけど、雰囲気があった」と目を細めた。打てた要因に、田原主将は「監督からの個人的な指導があった」。自主練習中にタイミングの取り方など、マンツーマンで受けた指導が生きた。
試合は2-3で東京王者の二松学舎大付に惜敗し、35年ぶりのセンバツ1勝を逃した。「夏にこの経験を生かして、自分たちが力を発揮できるように。甲子園をイメージしてやっていきたい」。春夏連続出場を見据え、この敗戦を糧にする。