
<オープン戦:ソフトバンク3ー8日本ハム>◇16日◇みずほペイペイドーム
日本ハム先発の伊藤大海投手(27)が、自身が登板する4月1日の本拠開幕戦で対戦するソフトバンク打線を、粘り強い投球で封じた。5回には無死満塁のピンチを招くも、屈強なメンタルで無失点にしのいだ。5回85球を投げ、4安打6三振無失点と快投。心身ともに状態の良さをアピールした。次回登板となる本拠地エスコンフィールドでの23日ヤクルト戦で、仕上げに入る。
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意図的にドキドキのシーンをつくったかのように、伊藤は崖っぷちでも、まったく動じなかった。5回、先頭のダウンズ、リチャードに連打を浴び谷川原にストレートの四球。無死満塁のピンチに「去年もそうですけど、良くない時の僕の典型的なパターン」。ここからが爽快だ。続く川瀬を左飛、周東を一ゴロに打ち取ると、最後は近藤をカウント2-2から、スラッターで空振り三振に切って取り、無失点で切り抜けた。
収穫は昨季MVPに輝いた近藤を手玉に取った、スラッターだ。「腕の振りも良かったですし、高さ的にも良かった。最後、腕が振り切れていたのが1番。いい打者が空振りしてくれるのは、そういうところかな」と手応えを口にした。その上で「川瀬の時は2球ぐらいファウルになっちゃったので、インコースにしっかり投げきれたら」と、反省も忘れなかった。
これで実戦登板は2日の台湾シリーズから3試合10イニング無失点と快調だ。シーズンに向け「球数っていう部分ではすごく順調に来ている。前回より今回の方が球数が増えた時の疲れ自体は少なくなって来ている」。本拠地での23日ヤクルト戦が本番前ラスト登板で「次はほぼ(球数など)フリーな状態でいくと思う。明日の体の反応を見ながら、最後の登板でまたどうなるか」とイメージした。
23年まで先発投手陣として共闘してきた上沢と初めて投げ合い勝利。「不思議な感じはしました。いつも味方側で見ていたので。これからは対戦するようになる。よりよい投げ合いができたら」。メンタル面の手本にしてきた大好きな“アニキ”に勝ち続け、恩返ししていく。【永野高輔】
▽日本ハム松岡(6回に登板し9球で3者凡退。オープン戦3試合連続無失点)「イメージ良く。それだけです。今もっている物を最大限出してアピールするだけです」