
“前哨戦”で圧倒し、本番での勝利につなげる。日本ハム伊藤大海投手(27)が、先発に指名されている4月1日の本拠開幕戦で対戦するソフトバンクと、16日に今季初対戦する。13日、札幌から福岡入り。オープン戦とは言え、昨季クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで敗れた相手にしっかりリベンジし、開幕前に嫌なイメージを植え付ける。
◇ ◇ ◇
敵地でしっかり“タカ狩り”シミュレーションを行い、本拠地開幕戦勝利を引き寄せる。今季初のソフトバンク戦へ伊藤は「ちょっとでも嫌な印象を与えたい。意識的に行くところは行きたいですし。本当にシーズンと変わらないような感じで。オープン戦だからというのはあまりない。オープン戦でも点を取られたくない」と気を引き締めた。
前回登板の9日中日戦は6回から3イニング47球を投げ、無安打5三振無失点と、ほぼ完璧な内容で状態の良さをアピール。力でねじ伏せた前回から、狙いを少し変える。「球数がちょっと増えて来ているので、次は80球で5回ぐらいいけるような。1イニング15球ぐらいのイメージで。そういうコーディネートも含めてうまくできたら」。開幕まで約2週間。効率良く長いイニングを投げるイメージを、描いていく。
雪辱の思いも胸に、マウンドに上がる。昨季のCSは、満を持してロッテとのファーストステージの登板を回避し、ソフトバンクとのファイナルステージ初戦に登板したが、6回途中4失点KOされた。チームは結果的に3連敗し日本シリーズ進出を逃した。それ以来の福岡での登板に「記憶はもちろんあるし、すごく悔しかった。オープン戦のペイペイドームっていうイメージでは行きたくない」と、気持ちを高ぶらせた。
ソフトバンク戦後は順調にいけば、本拠地での23日ヤクルト戦が開幕前ラスト登板となる。準備段階とはいえ、常に気持ちのギアは入れながら課題を1つずつクリアしていくのが、大海流だ。「オープン戦だからといって、言い訳を作りたくない」。投手2冠のエースが、内容にも結果にもこだわりながら、最高の状態に仕上げる。【永野高輔】