
<オープン戦:ソフトバンク4-2日本ハム>◇15日◇みずほペイペイドーム
球界のレジェンド左腕は笑顔でマウンドを去った。
昨季限りで現役引退したソフトバンク和田毅球団統括本部付アドバイザー(44)が15日、引退試合に臨み、最後の奪三振を刻んだ。
日本ハム戦に先発。同じ背番号21の清宮幸に対し、直球、スライダー、直球、直球でバットに空を切らせた。最速は135キロ。「高校時代は超えられたので満足」。1球だけスライダーを挟んだのは「投げてみたかったので」とおちゃめに語った。ワインドアップモーションでほほ笑んだのは特別なこの日だけだ。「引退は揺るぎないです。今日でやっぱり無理だなって思いました」。潔くユニホームを脱ぐ。
島根・浜田-早大を経て02年ドラフト自由枠でプロ入り。「最後のダイエー戦士」として24年まで現役を続け、同年11月5日に現役引退を表明した。NPB通算成績は334試合、160勝89敗、3ホールド、1901奪三振、投球回2099回2/3、防御率3・18。日米通算では165勝を数える。引退セレモニーでプレーバックが映し出され「一生懸命投げてきたんだなって。1球たりとも無駄なボールは投げなかったと思います」と胸を張った。
親族、チームメート、日本ハム関係者、ファンに謝意を述べ「いつかはマウンドでスポットライトを浴びる光景を夢に見ていた。最後にかなって良かったです」とすがすがしく話した。しかし、実は次回登板は23日のホークスOB戦。「中7日で次は1イニングって。酷だなぁ…」。最後まで和田毅らしかった。【只松憲】
▽ソフトバンク広瀬隆(6回、勝ち越しの2点適時打)「チャンスで何とか1本、芯で捉えるというところを意識しました。憧れの和田さんの引退試合という特別な日に勝ち越しの1本を打つことができてうれしい」