
開幕まで残り15日となった13日、広島の全体練習最後のメニューはキャンプから続けるロングティーだった。1軍に同行する20代の全選手が参加し、本拠地練習を締めくくった。そんな若手にとっては14日からのロッテ3連戦が最後のアピールチャンスとなる。
新井貴浩監督(48)は「明日からの3試合というのが、そういう位置づけになります。ロースターというのは打つだけじゃない。守ることもあるし、走ることもある。戦う上での役割がある。そう考えると、狭き門になってくる」ときっぱり。週明け18日からのオープン戦5試合は開幕を想定したメンバーで臨む見込みだ。
投手陣は先発中継ぎともにハイレベルな争いを見せる。先発の残り3枠は14日に先発するドラフト2位の佐藤柳之介投手(22=富士大)、15日先発予定の森のほか、常広、玉村、ジョハン・ドミンゲス投手(29=ホワイトソックス3A)の5投手で争う。それぞれが好結果を残すだけに、永川投手コーチも「みんながいいから、そこは難しい。なかなか決めきれないだろうなとは思う」と頭を悩ませる。
中継ぎ陣は昨季勝ちパターンを担った栗林、島内、ハーンに加え、森浦、塹江の5投手は開幕1軍がほぼ確定。実質残り3枠をドラフト3位の岡本駿投手(22=甲南大)や鈴木健矢投手(27=日本ハム)ら6投手で争う。新井監督は「いいものを見せてくれている投手がたくさんいるので、すごく悩むところだと思います」と吐露する。
一方で野手陣はアピールに欠ける。前日12日のDeNA戦でようやく末包や田村、林といった打力を持ち味とする選手が結果で示したが、抜き出たものを見せているのは二俣ぐらい。チームが「変革」を掲げる中で、若手の勢いには物足りなさが感じられる。
昨秋キャンプで成長を認められた中村奨も、オープン戦3度の先発出場を含む4試合に出場しながら13打数1安打で打率7分7厘にとどまる。「結果が出ていないことを受け止めつつ、まだ1軍に残してもらえているので挽回できるチャンスはあると思う。そこで必要だと思わせられるにやっていきたい」。限られた出場機会で最後のアピールを誓った。【前原淳】