
<オープン戦:広島0-4ヤクルト>◇9日◇マツダスタジアム
広島新井貴浩監督(48)が、期待の若手、田村俊介外野手(21)に“愛情交代”を命じた。
ヤクルト戦の初回守備で、先頭・塩見が右翼線際に打ち上げた打球を右翼・田村はグラブに当てて落球。ファウルゾーンながら失策がついた。田村は2回に打席に立ったが、3回の守備から二俣と交代しベンチへ。新井監督は「厳しさ? 愛情ですよ」と言いきった。
打球が風に戻された不運も、田村の必死さもわかっていた。それでも「よーいどんであんなプレーされたら、投手はたまらないでしょう」と断じた。怒りに任せたわけではない。好結果を出したなら使い続けようと打席に立たせた。「野球にエラー、ミスはつきもの。そこで代えるのではなしにチャンスを与える。ミスのあった次に」。だが無死一塁で一直併殺。当たりそのものはよかったが「そこは結果」と交代を決めた。
監督の真意は田村に伝わっていた。「自分に厳しく、もっともっと練習して、2度とああいうことにならないようにしたいと思います」と受け止めた。打撃内容に手応えがある。「右足の使い方を今、すり足にしてすごくはまってて」。懸命な試行錯誤は監督に伝わっている。11日からのDeNA2連戦(横浜)にも同行。結果を出し、30イニング続くチームの無得点を止めてみせる。【堀まどか】