
<UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL):Aマドリード1-0Rマドリード>◇12日(日本時間13日)◇ラウンド16第2戦◇エスタディオ・メトロポリターノ
【マドリード(スペイン)=高橋智行通信員】アトレチコ・マドリードが不運に泣いた。
レアル・マドリードとのダービー対決は両者の意地がぶつかる激戦となった。開始28秒のギャラガーの電撃的先制ゴールで追いつき90分を1-0と勝利し、2戦合計2-2で延長戦へ突入。そこでも両者譲らず勝負の行方はPK戦に委ねられた。
そのPK戦でまさかの判定を受けた。2人目のフリアン・アルバレスは足を滑らせ転びながらキックを成功させた。しかし、その後に物言いが付いた。
VARチェックにより軸足がスリップした際にボールに触れ、そこへ右足のキックが重なる「2度蹴り」が確認された。次の3人目へ流れていた中で、まさかの「失敗」に変更されていた。これが勝負の明暗を分けた、そう言っても過言ではない。
PK戦は4-2でRマドリードが制した。収まりが付かないのは、闘将ディエゴ・シメオネ監督だった。試合後の会見で、試合を振り返る中で、きっぱりとこう言った。
「さっき映像を見たところ、主審はフリアンが足を踏み込んだ時、軸足がボールに触ったと言っていたが、ボールは動いていなかった。VARがPK戦で見直すように呼ぶのを見たことがない」
記者からPKの成功を取り消されたことを問われると、逆質問した。
「フリアンがボールに2回触ったと思う人がいたら手を挙げてほしい」
手が挙がらないことを確認した上で「彼とは話をしていない」。
話は週末のバルセロナ戦に向けられた。心身は回復できるのか? と問われると、率直にこう口にした。
「そのうち分かる。このような形で敗退すると、それを消化するのは簡単ではない。我々は日曜日に素晴らしいライバルと対戦する。バルサは我々がPK戦にもつれ込むのがベストだと考えていたと思う。我々は疲れ果て、ダメージを受け、2試合ともやるべきことをやって敗退した後でその一戦を迎えることになるが、全力を尽くすつもりだ」
受け入れ難い敗北に、表情は厳しく、その口調も重かった。