
オンラインカジノの国内の利用経験者は約337万人と推計されることが13日、警察庁の実態調査で明らかになった。国内からスマートフォンなどでカジノのウェブサイトに接続して金銭を賭けるのは違法だと認識していなかったのは調査対象者の43・5%で、違法性の認識の低さが浮き彫りになった。
国によるオンラインカジノの利用実態の調査は初めて。警察庁は「調査でオンラインカジノでの賭博がまん延していることが分かった。極めて深刻で、違法性の周知を強化する」としている。
調査は民間会社に委託。2024年7~10月にウェブアンケートを実施し、15~79歳の2万7145人から回答を得た。
「現在もオンラインカジノを利用している」との回答は2・0%の550人で、「過去に利用した」は1・4%の392人だった。総人口に換算して推計すると、利用者は約196・7万人で、経験者を含めると約336・9万人に上ることが判明した。
知名度に関しては、「オンラインカジノを知っている」「言葉は知っている」との回答は合わせて60・5%だった。「アクセスしたことがある」は4・6%で、うち75・2%が賭博をしたことがあった。
調査ではさらに、経験者500人と未経験者6500人を抽出して詳しい実態を質問した。
海外に営業拠点があるオンラインカジノへ国内から接続して賭博する行為は違法だが、43・5%は認識していなかった。年代別でも10~50代で4割が違法性を認識しておらず、特に20代が48・9%と高かった。
違法と思わなかった理由(複数回答)は、「パチンコや公営ギャンブルがあるから」が35・9%で最も多く、「ニュースで見たから」が32・4%で続いた。「有名人・インフルエンサーが言っていたから」は4・0%と低かった。
賭けた金額は月平均で約5・2万円、年間では約63万円だった。国内での年間に賭けられた金額は約1兆2423億円と推計される。【山崎征克】