
<オープン戦:ソフトバンク3-4巨人>◇12日◇みずほペイペイドーム
巨人吉川尚輝内野手(30)が会心の“1号”を決めた。ソフトバンクとのオープン戦に「3番二塁」でスタメン出場。1回に先制の右越え2ランを放った。3、6、7回と4打席連続安打を放ち、3打点の固め打ち。昨季は全試合出場でゴールデングラブ賞、ベストナインに輝いた。今月5日の侍ジャパン強化試合でも攻守に躍動した。新婚の名手が開幕を待望させる活躍を見せた。
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打った瞬間の1発だった。吉川が開幕を心待ちする“1号”先制2ランを放った。1回1死二塁、ソフトバンク大津の147キロ直球にバットの軌道を合わせた。打球速度170キロで悠々と右翼席に突き刺し「1球でしっかり仕留められたので次も1球で、しっかりコンタクトできるようにやっていきたい」と話した。
充実しすぎるオフを過ごし、さらなる飛躍を予感させる。
昨年12月28日に同じ岐阜県出身でシンガー・ソングライターの足立佳奈との結婚を発表。「本当に近い距離で育った二人。共通の話題が多く、似た感覚を持っていることで互いに導かれるものがありました」と連名でコメントした。最愛の伴侶を得て、私生活においてもパートナーとの協力態勢が整い、ここまでのオープン戦は18打数9安打で打率5割と好調をキープ。阿部監督も「新婚さんだからいいんじゃない?」と目を丸くした。
初選出された侍ジャパンでも存在感を発揮した。今月5日のオランダ代表との強化試合でチーム唯一のマルチ安打をマーク。井端監督からも攻守で高く評価された。
昨季守備率9割9分4厘を誇る守備は球界屈指のレベルに君臨する。1回無死二塁で近藤の二塁ベース寄りの打球を滑り込みながら捕球して素早く一塁へ送球。2死一、三塁では正木の打球をバックステップを踏みながらのジャンピングキャッチと“美技”を連発した。
バットは打ち出の小づち状態だった。3回2死二塁はバットを折られるも中前適時打、6回先頭からは中前打を放ち、7回の右前打で締めくくった。この日、球団から東京ドームでの選手プロデュース弁当「尚輝流ソウルフード スタミナ鶏ちゃんBOX」(1900円)、同グルメの「尚輝のたまらん! チキンカツとじ丼」(1500円)の販売が発表された。今季も吉川が“たまらん”活躍でリーグ連覇をけん引する。【為田聡史】