
第97回選抜高校野球大会(18日開幕)で3季連続の甲子園に臨む青森山田は、昨春8強、昨夏4強と全国に強さを示してきた。新チームの先発野手陣は、8人中5人が甲子園でのプレー経験があるというチームで、プレー未経験の3人が目をぎらつかせている。同期とともにグラウンドに立ち、先輩たちの代を超える春へ。それぞれが来たる甲子園へと意気込んだ。【取材・構成=浜本神威】
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和歌山出身の永広登偉(とうい)内野手(新3年)が、同期に負けじと存在感を発揮する。青森山田進学のきっかけは、青森山田シニアの日本一。「彼らと一緒に野球をやりたい」と、門をたたいた。親元を離れての挑戦に不安もあったが、「生活面で、自分でやるということが将来の自分に生きてくる。チームの仲間と一緒に生活できることで信頼関係が築けるというところがいいと思った」。勇気を持って、和歌山から900キロ近く離れた青森に乗り込んだ。
シニア出身選手を筆頭に同級生は昨春、昨夏の甲子園でも活躍した。自身はどちらもスタンドで応援。チームの快進撃を眺めながら「自分の代で、メンバーに入っている2年生と一緒に、彼らに負けないぐらいのプレーをする」と、闘志を燃やしていた。なかでも春の広陵戦のサヨナラ勝ちにしびれた。「うれしいと悔しいの両方。悔しいが60%だった」。一層負けられない思いを強くした。
彼らと一緒に戦うために、永広は新チームから頭角を現した。主に一塁手を担い、昨秋の青森県大会では打率5割6分3厘をマーク。東北大会では4試合で4安打と、センバツ当確に貢献した。売りは守備と勝負強さ。「自分は守備が得意で、バッティングではチャンスに強いと思っている。(甲子園では)見に来てくれている人たちに、自分が一番すごいと思ってもらえるようなプレーをしたい」。初の甲子園へ、チームの誰にも負けない活躍で輝いてみせる。
◆昨春センバツ2回戦の広陵戦(24年3月27日) 青森山田は7回まで広陵・高尾に無安打無得点。8回表に2点を先取されたが、その裏、対馬陸翔外野手(3年)の2点適時打で同点。9回表には3点を勝ち越されるも、その裏、佐藤隆樹外野手(2年)の同点適時三塁打で再び追いついた。タイブレークの延長戦に突入。10回表を0に抑えると、その裏、原田純希内野手(3年)が犠飛を放ち、6-5で勝利。1回戦の京都国際戦(4-3)に続くサヨナラ勝ちを収めた。