
<オープン戦:日本ハム3ー2西武>◇6日◇エスコンフィールド
日本ハム清宮幸太郎内野手(25)が、特大の本拠地1号を放った。西武戦(エスコンフィールド)の3回2死、右翼のブルペンを越え2階席へ届くオープン戦第1号をたたき込んだ。台湾遠征での本塁打に続き、3月に入って4戦2発。自身も手応えを口にするアーチで、開幕へ向けて状態が上がってきたことを印象づけた。
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清宮が描く芸術的な放物線が、右翼2階席まで届いた。「完璧でした」。右下手投げ西武与座の高め132キロ直球を一閃(いっせん)。2日の台湾・中信兄弟戦の1発とは違い、ドライブ気味に失速することなく打球が伸びた。「なかなかああいう打球が打ててなかったので。ひとまずほっとしてます」。自画自賛する一打になった。
沖縄、台湾を経て、本拠地に帰ってきた利点を生かした。5日の西武戦は4打数無安打。打席の映像を、昨年のものと比較した。「カメラの位置とか一緒じゃないですか」。同じアングルで撮影されているからこそわかる違い。体重を左足に乗せトップの形を作る際、投手側の右肩が下がっていることに気がついた。「今日はそこを意識しました」。効果はすぐに結果として表れた。
だがそんなホームランアーチストも、打撃センス抜群の“二刀流”の先輩には脱帽した。この日は次打者がDHに入った山崎。変則投手にもバットを合わせて内野安打で出塁する姿に「アンダースローなんて絶対打ったことないのに、なんで打てんのかなって。やってらんないっす」と笑った。
3月に入って4戦2発。特にこの日は、清宮独特の高い弾道で打球が飛んだ。新庄監督も安心しているからこそ、いつもの辛口評価が口を突く。「看板に当てなあかんね。ライトスタンドにも設置してあるんだから」。直撃で111万円がもらえる指揮官発案の「SHINJOボード」は右翼3階席。清宮も白い歯を見せ「…ま、確かに。もっと飛ばしたいですね」と応じた。
昨年はケガで出遅れ、本拠地で本塁打を放ったのは8月が最初だった。「日々変わる打撃とか、体(の状態)をしっかり観察しながら、いいものを求めていければと思ってます」。3週間後に迫った開幕へ向け、仕上げは最終段階。不安は、ない。【本間翼】