
<ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025:侍ジャパン-オランダ>◇6日◇京セラドーム大阪
虎の主砲が待望の侍1号だ! 侍ジャパンの大山悠輔内野手(30=阪神)が6日の「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025 日本VSオランダ」第2戦の5回、代表初安打、初本塁打となる左越えソロ本塁打を放ち大勝での2連勝に貢献した。約6年ぶりの日の丸で2試合連続託された「5番」で1発回答。来年3月の第6回WBCでの世界一連覇を見据え、長打力を求めている井端監督の前で、存在感を発揮した。
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ダイヤモンドを1周しながら、大山は笑みを浮かべた。3-0で迎えた5回2死。大きな拍手の中で入った打席で、いつも通り引き締まった表情。フルカウントの6球目、5番手右腕デフロートが投じた内角の直球を左翼ポール際のスタンドに運んだ。舞台はシーズン中に主催試合も行う京セラドーム大阪。打った瞬間、2万1747人で埋まった観衆から「おー!」と大歓声が上がった。
「侍ジャパンで初めてのホームランです。めちゃくちゃうれしいです!」
過去に代表選出された18、19年の強化試合はノーヒット。前日5日のオランダとの初戦でも、5番一塁で出場したが、2打数無安打。日の丸では通算12打席立ち、四死球などで5出塁していたが、この日の第2打席まで7打数無安打だった。強化試合最終戦となるこの日に向け「残り1試合、時間を無駄にしないようにいい時間にしたい」と燃えていた大砲が、最高の形で代表初安打を本塁打で飾った。
0-0の5回は1死三塁から阪神で中軸を担う佐藤輝の左犠飛で先制。大山の初アーチが勢いを加速させ、一気に7得点を挙げるビッグイニングとなり、オランダを2戦連続で圧倒した。
来年3月のWBCに向け、井端監督は4日の会見で「優勝する上でホームランは必要不可欠。1人でも多く長打が期待できる選手が出てくれればうれしい」と要望。前日5日の会見でも「明日以降、また1本でも多く出てくれるとうれしい」と話していた指揮官に1発回答した。4日の前日練習で「いろんな状況があると思うので、臨機応変にやっていきたい」と語っていた主砲は無走者の場面で、自慢のパンチ力発揮で有言実行した。吉川、斎藤と並ぶチーム最年長。若手に負けない強烈な打球を飛ばし、大阪のファンも自身も笑顔にした。【塚本光】