昨夏、高校野球で甲子園初出場初勝利を遂げた新潟産大付の小兵たちが、大学でも旋風を巻き起こす。今春、主将の平野翔太内野手(3年)は関甲新リーグの上武大へ、戸嶋翔人外野手(3年)は東都リーグの亜大へそれぞれ進学する。ともに身長は160センチ台の前半ながら、類い稀なる野球センスを武器に、全国優勝経験校で新たなスタートを切る。【取材・大島享也】
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戸嶋には、身長162センチ以上に秘められたポテンシャルがある。50メートル走5秒9に加え、高校通算13本塁打とパンチ力も備えるリードオフマン。この春から「戦国東都」で、伝統ある黒白の縦縞ユニホームに身を包む。「厳しい大学に決めたからにはやるしかない」。短い言葉に決意を込めた。
亜大は全国5度の優勝を誇り、多くの選手をNPBに輩出する名門だ。吉野監督もOBの1人で勧めも受け「施設も環境も他とは違う。もっと上を目指せると思った」と入部を決めた。
野性味あふれる運動能力で勝負する。特に、小学校6年まで在籍した陸上クラブで磨いた脚には「自分の中で唯一無二。通用する自信がある」と誇りを示した上で「やるからには、より上を」と宣言。目指すは、同大OBの中日田中幹也らが持つ1試合6盗塁のリーグタイ記録を抜くことだ。
既に入寮を済ませ、練習にも参加した。「1人1人の意識も練習も段違いと聞いている」と、これまで以上に野球へ費やす時間が増えてくる。「4年後のプロを意識しながらレベルの高い環境でレギュラーを勝ち取りたい」と夢を描いた。
◆戸嶋翔人(としま・しょうと)2006年(平18)5月10日生まれ、新潟市出身。東曽野木小3年から野球を始める。曽野木中では新潟ボーイズに所属。新潟産大付高では1年夏からベンチ入り。参考にする野球選手はソフトバンク近藤健介。162センチ、66キロ。右投げ右打ち。