
熊本県御船町の上益城消防組合消防本部は13日、パワーハラスメントがあったとして、上益城消防署に勤務する40代の男性消防司令補を停職4カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は10日付。
発表によると、同司令補は2024年10月~25年1月、他の職員の前で部下の30代男性副士長に対し、計6回にわたり平手打ちの暴行を加えた。1月、副士長がハラスメント相談窓口に相談をして発覚した。司令補は「(指導の)コミュニケーションの一環だった」と行為を認めている。
同組合では、19年に男性職員(当時46歳)がパワハラを理由として自殺。遺族が4000万円の損害賠償を求めた訴訟では、熊本地裁が24年2月、遺族の主張を全面的に認め、組合側に全額の支払いを命じている。
東良昭消防長は「消防職員としてあるまじき行為。ハラスメント撲滅に向けた取り組みを行ってきたにもかかわらず、繰り返し発生し残念で無念」とコメントした。【山口桂子】