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<猛虎リポート>
日刊スポーツの阪神担当が、沖縄春季キャンプのチームや選手に独自の目線で迫る「猛虎リポート」。新人の塚本光記者が、DeNAから新加入した楠本泰史外野手(29)の球団による違いに迫った。古巣から持ち込んだトレーニングとは?
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新人から岩崎や原口らの年長者まで幅広い選手が汗を流している具志川キャンプ。そこには、膨らんでいない白い風船をくわえている楠本がいた。至近距離で選手を見ようと沿道に並んでいるファンの横で、口にぶら下げながら歩く姿に目を奪われた。トレーニングの一環であることは間違いないが、効果や意図が気になり、直接尋ねた。
「腹圧を使いたいというのはもちろんですし、朝のストレッチの段階で風船を膨らませるように呼吸をすると体が整っていく」
新人時代から取り組んでいるトレーニング。ソフトバンク山川らも取り入れている。阪神では珍しいが、実は昨年まで所属していたDeNAではほとんど全員が行っていた。「風船を買って自分でやればいいか」と移籍後も継続させた。
腹圧を高めることは、プレーに大きな影響を及ぼす。腕、手、足など、体の先端に近い部分を使うスポーツだが、体幹など体の芯が軸となる。「そこを鍛えないと、速いボールを投げたり、強いスイングができたりすることにつながらない」と取り組む理由を説明。打撃練習などの際も、実際に風船をくわえはしないが、おなかを使った呼吸で力を入れることを意識する。
「人それぞれ調整方法があると思う」と話すが、やり方を「聞かれたら答える」と話す新戦力。DeNAから戦力外通告を受け、野球ができる喜びをかみしめながら練習に励む。入団後はじめてファンに囲まれた今キャンプ。紅白戦が行われた8日には8000人もの観客が来場。自身も初実戦に挑み、9日には「移籍初安打」を放った。
「多くのファンの方に拍手と声かけをしていただいて、本当にありがたい」
具志川でも多数のファンからサインや写真を求められる。「こんなにもたくさんファンの方が来られるんだ」と虎党の熱量に驚く。古巣から日本一を奪回する戦いに加わるため、熱いファンに応えるためにもアピールに燃える。【塚本光】