プロ通算525本塁打を誇る清原和博氏(57)の次男・清原勝児内野手(慶応3年)が、新天地で「兄超え」を誓った。東京6大学野球リーグの慶大が1日、横浜市内のグラウンドで練習を行い、23年夏の甲子園制覇に貢献した清原ら新入生22人が合流。昨秋のリーグ戦で慶大の4番を務めた兄の正吾内野手(4年)と同じ道をたどり、個人としての目標には神宮を沸かせた兄を超える存在になると意気込んだ。
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澄み切った青空が、清原の門出を祝福しているかのように映えた。グラウンドに集まった他の新入生たちとランニングなどで汗を流し「一つの節目にしようと意気込んできたので、しっかりトレーニングができて非常に良い1日になりました」と振り返った。幸先いいスタートを切り「今日より明日、明日より明後日という気持ちで頑張りたい」と意欲を見せた。
西武、巨人などで活躍した和博氏を父に持ち、自身は慶応(神奈川)2年時の23年夏の甲子園で日本一に貢献した。単位不足のため1年生を2度経験することになり、留年の影響で昨年は公式戦に出場できなかった。実戦から遠ざかる中で、一足先に慶大で活躍する兄・正吾の存在が励みになった。
昨秋のリーグ戦で兄が放った通算3号目のホームランボールを受け取った。中学・高校と野球から離れながら、慶大の4番を務めた兄。「素直にすごいなと感動しました」と尊敬する一方で、「一種の悔しさもあった」と本音を吐露。野球に打ち込む同じ競技者として対抗心を燃やし、兄を追いかけるように名門の門をたたいた。今春卒業予定の兄から「ここから頑張れ、俺を超えろ」と熱いエールを送られ、「まずは慶応野球部の日本一に貢献したい。個人的な目標としては、兄を超えたい。兄より活躍することを目標にやっていきたい」と誓った。
4月から入寮予定で、その際には兄のホームランボールを持参するつもりだ。「あのボールを見ると、自分もやらなきゃいけないという気持ちが出てくる。寮に置いて、毎日見て、しっかり練習しようと思います」。晴れて野球部の一員になるが、ここがゴールではない。プロ入りの夢をかなえられず野球をやめる決断をした兄の思いも背負い、気持ちを新たにスタートを切る。【平山連】