短剣2本をリズムに乗って扱った。DeNA牧秀悟内野手(26)が12日、鹿児島・鹿屋市内で自主トレを公開。ともに自主トレを行う粟飯原、阪神井上、中川、西武古賀と横並びになって、十手のような形の「サイ」を両手に携えた。体の内側から肘を抜いて前に出し、再び体の内側に収める。「普段は野球ばかりでなかなか使わない筋肉を使うと、動きの引き出しも増やせるのでいい練習になってると思います」とうなずいた。
「サイ」とは琉球古武術で使われる武器で、メニューを組んだトレーナーの浜川彰吾氏が1万2000円で購入。1本600グラムほどで「手先、指先、重心の移動が鋭敏な状態にできる」と狙いを説明した。常に新しいトレーニングを追求しており、昨年も行った人体骨格模型を使ったトレーニングやキックボクシングトレは継続。「シーズン中は試合が続くので今のうちに野球以外のことを身につけて、いざとなった時に思い出して扱えれば」と未来に種をまく。
昨年までは地元出身の大和がリーダーを務めていたが昨季限りで退団。それでも同じ自主トレ先を使い、リーダーも継承した。チーム名は大和と牧をかけ合わせた「チームYAMAKI」で、特製Tシャツの背中には大和が背負った歴代背番号と牧の背番号2などがデザインされる。初日には守備や打撃の動画を送って、遠隔でアドバイスをもらっており「大和さん抜きには考えられない」と師匠への思いも背負って戦う。
昨季は主将1年目で26年ぶりの日本一を経験。「今年1年すごく大事な年になる。本塁打は例年以上、30本打てれば」と未達の大台を掲げた。原点・鹿屋でキャンプまで抜かりなく準備し“サイ”高なシーズンにする。【小早川宗一郎】