<解説>
中居の問題がフジテレビの企業ガバナンスの問題へ発展した。
今回の米投資ファンドからの社外の専門家による第三者委員会の設置要求について放送関係者は、「(フジテレビは設置を)避けられないんじゃないか?」との見方を示す。その理由として「外資系のファンドなので、フジテレビに価値が見出せないとなれば、出資した金を引き上げて他に投資する可能性は十分、ありうる話。そうなってくると、フジは設置せざるを得ないでしょう」とする。
その背景には、視聴率の底上げに注力する同局の苦しい状況がある。広告業界関係者によると、テレビCMの広告料は全体的に低下の一途をたどっているという。その点を踏まえ、放送関係者は「ダルトン・インベストメンツが保有する7%以上の株は、経営において看過できないでしょう。『株主価値がさらに損なわれる可能性があります』『私たちは激怒しています』とまで突きつけられたことは、出資した金の引き上げを想起させるに十分です」とする。また、今回の米投資ファンドの動きは、国内の株主にも影響を与える可能性もあり株価の下落を招く恐れもある。
今後のフジテレビの対応は、株主だけでなく視聴者や出入りの番組制作会社、芸能事務所との信頼関係にも大きく関わってくるとみられる。どのように説明、弁明していくのか。同局関係者は「会社存続が危ぶまれている」と危機感を募らせる。