ヘビのように脱皮して、飛躍するぞ。阪神に今季在籍する巳(み)年生まれは世代別ダントツの11選手。全員24歳を迎える年で、ブレークの期待がかかるメンバーがそろう。育成2年目の福島圭音(けいん)外野手(23)は、激しい支配下昇格レースの本命に挙がっていることが判明。19年ドラフト1位入団で逆襲を誓う西純矢投手(23)らも年男の誓いを立てた。
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福島がヘビのようににらむ先は、もちろん「支配下」だ。育成ドラフトで入団2年目。今季、阪神の育成選手は外国人を含めて過去最多の14人にのぼる見込みだが、球団関係者によると、福島が最も支配下に近い位置にいる1人だという。
1年間で走攻守に成長。昨年11~12月に台湾で行われたアジアウインターリーグでも存在感を発揮した。16試合で出場選手最多の9盗塁を決め、自慢の足をアピール。打率2割9分8厘とバットも輝きを見せた。
「試合経験を積ませてもらって、すごくありがたかった。そこそこの結果を出せたと思うので、次につながる。試行錯誤しながら、結果も求めつつという、すごい新しい感覚でした」。大きな手応えとともに帰国。休む間もなく虎風荘を離れ、関東で走りのトレーニングに没頭した。
熾烈(しれつ)を極める支配下昇格レース。藤川監督は「枠はちゃんと空けてある。春までに上がれるチャンスはあるのでは」と育成選手たちに競争を促している。青柳がポスティングシステムで米国に移籍すれば支配下選手枠は66となり、残りは4枠。開幕までに1~2選手が昇格してもおかしくない。
球団幹部は「枠は空けているので競争してほしい。ただ、支配下に上がることではなく、1軍で活躍することが目的ですから」と高い目線を求めた。今の阪神は支配下も、1軍入りも狭き門だが、福島に迷いはない。蛇行せず、2桁背番号に向かって爆走する。
◆阪神の巳男メモ 阪神の01年巳年生まれは木下、西純、及川、富田、石黒、津田、工藤、藤田、井上、川崎、福島と11人おり、今季チーム最多の勢力を誇る。このうちドラフト3位の木下は、1月生まれのため1学年上。西純らと同学年になる02年の1~4月1日生まれは下村、椎葉、佐野の3人。学年単位では13人の大所帯になる。36歳、48歳になる選手はいない。